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阿修羅

林家きく麿の「くだらな観音菩薩」 第2回

阿修羅

阿修羅様(画:林家きく麿)

林家 きく麿

執筆者

林家 きく麿

執筆者プロフィール

決断力を得るために

 こんにちはの人も、こんばんはの人も、おはようございます。林家きく麿です。

 皆様、夏の一番好きなところと一番嫌いなところを、一つずつ挙げるとしたら何ですか? え? 沢山あって選べない? そうですよね、落語家の中で誰の『子ほめ』が一番面白いか教えてと言われても、選べないのと同じですよね。

 なぜなら、一番という括りがあるからです。一番を決めると言うことは、決断力が必要になるからですよね。私は、面白いと思うけど、他の人はどうなんだろう? ほかに面白い人がいて、皆に嫌われてるマウントを取りがちな落語ファンから、「なになになに、えーっ、そんな人のが面白いの? だから落語初心者は……」とか言われたらどうしよう。

 そんなこと言われたら私……、夜お風呂に入っている時に「マウント野郎の左足の親指、巻き爪になれ! 食い込んで食い込んで、ナビスコのピコラみたいな爪になっちゃえ! そして、お医者さんに見放されろ!」と手を合わせて神様にお願いしちゃうじゃん! ……だから言うの、やめておこうってなりますもんね。

 しかし! もやし! 案山子! そんな時に、決断力があると違うのです。答えをすぐ出せるのです。

 実は、私はこの決断力を付けるために、毎日修行をしました。高さ1メートルから座布団へダイビング、手を前にして足を伸ばして、飛行機の脱出時のスライドに飛び乗る体制で毎日毎日、飛びました!

 お尻がどれだけ痛かろうが、我慢して飛び続けること、早15年。とうとう私はぷよんぷよんの痛さを感じないお尻を手に入れたのです! そうまさに、ケツ弾力! ズコー(またはヘコー)。ちなみにお尻を表す「ケツ」は、漢字だと「穴」と書くの面白いですね。

 さあ本題。私が夏の好きなところと、嫌いなところを挙げるとしたら、一番好きなところは、鰹が美味しいところ。そして嫌いなところは、早足で歩くと汗ばんだパンツがめくれ上がって、Tバックになってしまうところです。

 もちろん、天国の寺沢武一先生には見せられないTバックです。あー、恥ずかしい。背中が開いてるシャツを後ろ前に来て、「妙に胸元が開いてるけど、どうしたの?」と言われて、初めて気付いた時くらい恥ずかしい。