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あふれる情熱と笑顔 神田鯉花(後編)
「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」第5回
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登山風景(神田鯉花・提供)
一時期、絶滅危惧種とまで言われるも、現在、東西合わせて120名を超えるまでになった講釈師。江戸から明治、大正、昭和と、主に男性が読み継いできた芸であったが、平成、令和と時代を経て、女性目線による女性の講談が世に送り出されてきた。その時、講釈師は何を考え、何を読んできたのか。第一線で活躍する女性講釈師に尋ねてみた。(神田鯉花さんの前編/後編のうちの後編)
山登りにハマる理由
―今、山登りに夢中のようですが、その魅力はなんですか。
鯉花 前座の時、コロナ期間中にずっとゲームをしてました。で、ゼルダのゲームの中にオープンワールドのものがあって、山とか登れるんですよ。で、登りたくなって、それで電車の外を見ると山が見えるんです。気になって、ネットで「関東・登山・初心者」と調べたら、飯能の山が出て来て、行ってみたら登れなかったんです。20代の自分が、子どもたちやお年寄りに「じゃあ、頑張ってねぇ~」って抜かれるんですよ。それが悔しくて。途中で動けなくなって挫折も覚えました。
でも登り切ったら面白くて楽しくて。魅力を挙げるとすれば、登山の途中の非日常感でしょうか。無我夢中でいるので、余計なことを考えなくてもいい。それに木漏れ日を浴びることも。山を下りたら、また登って、下りたらまた登って……。埼玉と東京の県境の名栗というところに棒ノ折山という山があって、ここがいい! 私の一番のお気に入りの山です。沢も登れますし、冒険感がある。早朝に行けば昼過ぎに下山できますからね。

(神田鯉花・撮影)
登山って不思議なのが、どんなにキツくても下りてくると、また登りたくなる。もう中毒です(笑)。非日常で解放感が味わえて、頭がスッキリする。ストイックな人ほどハマると思うので、この先、寄席仲間を引きずりこむ予定です(笑)。
登山の楽しさと感想については、ぜひ鯉花の高座のマクラで確かめてほしい。
