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高館義経堂の仁王

林家きく麿の「くだらな観音菩薩」 第4回

高館義経堂の仁王

高館義経堂の仁王様(画:林家きく麿)

林家 きく麿

執筆者

林家 きく麿

執筆者プロフィール

東北大好き芸人ができるまでの珍道中

 こんにちわな人も、こんばんわな人も、おはようございます。林家きく麿です。

 私ね、生まれが福岡の北九州市なんですけど、この仕事のおかげで、いろんな街に足を運ぶことができてます。ありがたいことです。

 あ、この仕事というのは、落語のことですよ。全国のキャバレーを廻りながら、小林旭さんの物真似ショーをすることではありません。……けど、お仕事をくれる方がいらっしゃるなら、喜んで行きます! たっぷりと歌いますので、ご連絡くださ~い。

 で、その結果、今は全国いろんなところにお友だちがいて、旅先で会えるのがとても楽しみなんです。

 二ツ目の頃に、岩手の北上のお仕事をいただきました。今も続いている落語会、北上本牧亭です。先日20周年を迎えました。20年ですよ、20年。

 20年というと、生まれた子供が秋刀魚(さんま)のはらわたの苦さを美味しいと感じるようになるくらいの年月ですよ、凄いなぁ、20年。本当に、続けることは凄く大変なことだと思います。また呼んでくださーい。

 で、その際に、東京にいる花巻出身のお友だちに相談したら、「お隣の町だから、花巻にも来てよ」とお仕事を作っていただきました。そのおかげで、東北大好き芸人が誕生しました。旅の楽しさを知っちゃったのは、この時かも?

 打ち上げでたくさんお友だちができて、温泉と美味しい蕎麦のヘビーローテーションを教わり、打ち上げ会場がそのまま私の宿泊場所だったので、なかなか帰らないお客さんに泣きながら、「そこが私の寝床なんです」と叫んでみたり。

 でも結局、連れ出されてバーを何軒か連れ回され、朝起きてみると、知らないお兄ちゃんが隣の布団で寝てました。

 そして、迎えに来てくれたお友だちと、知らない一夜を共にしたお兄ちゃんと3人で温泉(夏油温泉)に行くと、草むらがガサガサッと突然動いたので、「熊だ、逃げろ!」と言われて逃げようとすると、「ごめん、師匠違った。婆さんが立ちションベンしてた。逆に今の時代に、婆さんの立ちションベンなんて、なかなか見れないから良かったね!」と言われ、意味なく納得してしまったり。