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二合目 ~塩釜漫遊記
酒は“釈”薬の長 ~伯知の日本酒漫遊記~ 第2回
- 講談
運命の出会いはアニメから始まった!?
宮城・仙台といえば、幼い頃より思い入れがあって、第1の出会いは『南国少年パプワくん』というアニメに出てくる「東北ミヤギ」というキャラクター。
ミヤギが大好きで、好きすぎるあまり、小学生の伯知はひたすら宮城県の名産品や祭りを調べては、ニヤニヤしていたのである(祇園仮面アラシヤマが好きな友人と争っていた)。
第2の出会いは、『戦国BASARA2 英雄外伝』というゲームで伊達政宗と片倉小十郎が好きになり、やはり好きすぎるあまり、当時の東北各地の戦や資料などを調べまくった。


「大河ドラマ『独眼竜政宗』は面白かったぞ!」という大人たちの話を聞く度に、観れていない自分は悔しがり、地元の図書館の閉架書庫からジェームズ三木のシナリオ本を出してきて貰っては、司書さんから「これは貴方が読むの?」と不思議がられていた。
宮城を訪れる前から思い入れがありすぎたため、こうして大人になり、歴史・日本酒好き講談師として宮城県仙台に来ることができたのは本当に嬉しいことなのである。
とはいえ、3日間・2公演ずつのトリを任されている以上、酒をたらふく飲んだくれている訳にはいかない。公演日の前日に宮城入りをし、講談師らしく真面目に「宮城の酒と食の歴史を学ぶ漫遊をしよう!」と決めて向かった先は、塩釜(しおがま)である。
ところが塩竈街道をお出でに為りますると、路傍に馬子が両人居りまして
「オイお爺さん、塩竈へお参詣かね」
「ハイ塩竈へお参詣を致しまする」
「夫(それ)ぢゃあ乃公達(おれたち)は塩竈まで帰るんだ、やすく負けて置くから馬に乗って行きねへナ」
~増田南北『水戸黄門奥羽漫遊記』