栗と私

「マクラになるかも知れない話」 第二回

栗と私

題字:三遊亭萬都

三遊亭 萬都

執筆者

三遊亭 萬都

執筆者プロフィール

高知の山奥の秋

 三遊亭萬都です。

 連載第二回ということで、いくつかもらったお題から今回は何について書くか考えていましたら、お題の中に

 「すみれ September Love(一風堂)」

 というのがあったんですが、「すみれ September Love」は、SHAZNAの曲だとばかり思っていました(当ウェブで連載されている、かけ橋兄さんもそう思われていたようですね)。いやあ、知らないことばかりだ。反省。

 ついでに言うと、「夏祭り」はWhiteberryじゃなくてJITTERIN’JINNの曲だし、「Choo Choo TRAIN」はEXILEじゃなくてZOOの曲だし、「夏をあきらめて」は研ナオコじゃなくてサザンオールスターズの曲です。

 ひとつでも間違っていた方は、一緒に反省しましょう。

 せーの。反省。反省やめ。

 あと「松茸」というお題もありましたが、松茸について文章を書けるほど松茸との思い出がないため、泣く泣く断念しました。

 さあ、第2回のお題は「栗」。

 栗はモテている。

 森は生きている、みたいになったが気にせず前に進む。栗はモテている。

 僕と栗の出会いは、かなり早い。僕の実家は、大変な山奥にある。家の庭に立って360度見回したとき、自分の家以外に民家が見えない。

 当連載の第一回で「筆者の地元、高知の夏」として夏の山の写真を掲載してもらったところ、「とても良い写真ですね。山の奥にまで行って撮ってらっしゃったのは、大変だったでしょう」と感想をいただいたが、実家の真ん前をただ写しただけの写真だったので、なんと答えて良いかわからなかった。

 そんな実家なので、家の前の道に一本の大きな栗の木が生えていた。自生しているのか、誰かが植えたのかは祖父に聞いても「ようわからん」とのことだった。

 秋にはいっぱいの栗が実り、大きなイガに覆われたやつがゴロゴロと道に転がった。鋭いイガがささらないように気をつけて、ぐにぐにと踏んづけて中の栗を取り出して収穫していく。

 「動物も食べるから、全部とらないように」

 と祖父に言われていたが、バケツにいっぱいとってもまだまだあるのだから、全部とるのは難しかった。たくさんとったら、栗の木に巻き付いているアケビをとって食べて、収穫おわり。

 一応、断っておくが平成の話だ。