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自分らしく、まっすぐに 神田菫花(後編)

「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第16回

「明日も頑張ろう!」と思える講談を

菫花 講談界の個性の一つになれたらいいなと思っています。師匠の(神田)すみれからは自由にやりなさいと言われ、二ツ目になってから自由にやらせてもらいました。一方で本格派の講釈師もいて、いかにも講談らしい読み口で、そんな読みとの違いにコンプレックスを感じることも度々あるんですが、講談界の端っこにいても、個性ある講釈師の一人として、自分らしくしっかりと立てていければいいなと思っています。

菫花 ありがとうございます。今という時代と照らし合わせると、講談はちょっと遅れているように思えるかも知れません。でも、少しずつではありますが、変わってきています。講談がどこかに向かっているのも事実ですが、それがどういう方向に向かって行くのかがわからない。でもその時、バリエーションが沢山あってもいいし、バリエーションがあることが面白さにつながるとも言えます。

 今、色々なところで、毎日のように講談が楽しめるので、どこかに顔を出してみてほしい。私は会社員時代に講談を聴いて、「明日も頑張ろう!」と思いました。明日からの活力をくれたのが講談であったので、私もそんなことを感じてもらえる講釈師になれたらいいなと望みを持っています。

(以上、敬称略)

11月の「津の守講談会 ~お富与三郎特集~」(三日間 全編通し読み)

1日(土) 菫花「与三郎生い立ち」/琴鶴「馴れ初め」/主任 銀冶「玄冶店」
2日(日) 一邑「茣蓙松(前)」/主任 菫花「茣蓙松(後)」
3日(月・祝) 貞寿「親子別れ」/主任 一邑「与三郎殺し」

開演:13時(終演は15時30分予定)
場所:荒木町舞台「津の守」(新宿区荒木町3-2 北島ビル3階)
木戸銭:当日3,000円、前売・予約2,800円、ご贔屓連2,000円、25歳以下2,000円

向じま墨亭「神田菫花 連続講談『相馬大作』を読む・その1」

日時:2026年2月20日(土)11時開演
場所:向じま墨亭(墨田区東向島1-10-20)
木戸銭:全席自由2,000円


神田菫花(講談協会 公式ホームページ)

(了)