〈書評〉 パズルと天気 (伊坂幸太郎 著)
「“本”日は晴天なり ~めくるめく日々」 第5回
- 落語
- Books
笑福亭 茶光
2025/10/30
予想もつかない展開と温かいユーモアが詰まった短編集
鯉八師匠のおすすめは間違いない
唯一無二の新作落語を武器に落語界で剛腕を振るう、天才『瀧川鯉八』師匠。その鯉八師匠が、私、笑福亭茶光を『面白い!!』と方々で広めてくださっている。とても大事なことなので、もう一度言う。あの鯉八師匠が、私、笑福亭茶光を『面白い!!』と広めてくれているのだ。嬉しい。何回でも言いたい。
鯉八師匠はプレゼンが上手い。そして熱量高く広めてくださるので、近頃、私の落語会にも「鯉八師匠が茶光さんをおすすめしてるので来ました!」というお客さんが少なくない。おすすめ上手なのだ。
そんな鯉八師匠は、本も好き。最近周りにおすすめされているのが『松本清張』だ。誰もが知っている大御所作家だが、私のような1日50ページでゆるく読書を楽しんでいるような読書ビギナーは松本清張も通ってきていない。
『張込み』という短編集を薦めていただき、読んでみた。1965年(昭和40年)に発行されたにも関わらず、古さを感じさせない。短い話の中にも、あっと驚くトリックや深い心理描写が描かれており、どの話も読み応えが凄い。
その影響だろうか、今回、本屋で手に取ったのも短編集。伊坂幸太郎さんの『パズルと天気』。
伊坂幸太郎さんといえば、誰もが知っている現代の大御所作家。2012年~2025年に書かれた趣の違う5つの話。ウルっとくる話から不穏な空気を漂わせる話、ぶっ飛んだファンタジーな話まで、1冊で色んな感情を味わうことができる。
マッチングアプリ上に現れる名探偵が謎を解き明かす『パズル』。ファンタジーな設定にも関わらず、手に汗握るストーリー展開『竹やぶバーニング』『イヌゲンソーゴ』。話の展開からは想像できない可笑しさを感じさせてくれる『透明ポーラーベア』。
主人公の大友が友人の清水に紹介された彼女はかつての自分の恋人だった。大友は、元彼女からあることを依頼され……移り変わりの激しい天気のような展開を見せる『Weather』。
喜怒哀楽が詰まった短編集。どれも面白かった。
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