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「生きていてくれ」と思いながら落語をやった夏

「エッセイ的な何か」 第14回

「生きていてくれ」と思いながら落語をやった夏

高座で一番暑かった思い出…(画:三笑亭夢丸)

三笑亭 夢丸

執筆者

三笑亭 夢丸

執筆者プロフィール

 お陰様でこの連載も丸一年が経過いたしました。

 正直、何人の方々が読んでくださっているのかは把握できていないのですが、とりあえず皆様のお陰なのでございます。

 んで、一周年で若干テーマの様式が変わりました。

 なんだかより具体的になっております。まあ、今までも『〇〇の日』とかテーマを決めておきながら、あんまりそれと関係ないことを書いてたりしたからな。

 その今回のテーマは、『高座で一番暑かった思い出』という、プリンセス プリンセス風(全然違う)なお題。

 そうさねぇ……。

 基本、僕は汗かきなので、夏場の高座は汗だくになってしまうことがほとんど。

 夏物の着物の一種に、透け感のある絽(ろ)という生地がある。

 もちろん夏物なので比較的涼しいに決まっているのだが、注意すべきは化繊(かせん)の絽。ポリエステルなどでできている化繊の着物は、見た目には大変涼しいのだが、着てみればとんでもない暑さ。

 下手したら、普通の化繊の着物より暑いかもしれない。

 透けているくせに。どういう仕組みか知らないけれども。

 ただ、猛烈に汗をかいても気軽に洗えるというメリットもあるので、痛し痒しなのだ。

 『一番暑かった高座』と宣言してしまうと、なかなか一つに的を絞りづらいのだが、印象深かった現場を書かせていただく。

 真っ先に浮かんだのが、二ツ目時分に伺った、神奈川県内とある自治体の敬老会。

 敬老会なのだから、「敬老の日」にやれば良さそうなものだが、なぜか八月の夏真っ盛りに開催された。しかも、会場が体育館。

 この、夏の体育館というのが、なかなか過酷なのである。

 夏は暑く、冬は寒い、音響もあまり芳しくない……のだが、やはりキャパシティの問題で学校公演などは会場として使われることが多い。