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優しさと知性で物語を紡ぐ 田辺一邑(前編)

「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第18回

弟子入りの裏側

 本名・佐久間秀雄。昭和4年2月9日、東京で生まれる。昭和28年4月に十二代目田辺南鶴に入門し、一鶴。昭和41年10月に二ツ目。昭和48年10月に同名のまま真打に昇進した。鼻の下から顎にまで伸びたひげが特徴で「ヒゲの一鶴」と呼ばれた。幼い頃から吃音(きつおん)に悩んでいたことから、その矯正をするために南鶴が主催する講談教室で講談を始めた。高座では時事ニュースや話題の人物を取り上げた新作講談を読むことが多く、代表作は昭和39年に発表した『東京オリンピック』で、万国旗を用いながら参加国名を開会式の際の入場順にすべて読み上げる講談が大きな話題を呼んだ。他にも若い頃に仕事を手伝っていた漫画家水木しげるを題材にした『水木しげる物語』や、講談の修羅場を取り入れて、水木の描いた妖怪を紹介していく『妖怪軍談修羅場』、ロサンゼルスで披露した『イチロー物語』などが知られる。

一邑 講談をやってみたいなあと思っても、なり方がわからない。その頃、『◎◎になるには』という本が出ていて、そのシリーズの中に『落語家になるには』という一冊があって、誰かに弟子入りしなければならないとか、出待ちして「弟子にしてください」って言いに行かなければならないとかあって、それなら誰にどう入門しようかと考えたんです。それで講釈師を一通り聴いてみました。

一邑 実は(一龍斎)貞山先生で、入門のお願いに上がったんですが、当時は「女性は取らないようにしている」と言って断られました。私のお願いの仕方も悪かったんです。独演会に行った時に度胸がなくて言えずにいて、次は「講談まつり」の日にお願いしたので。

一邑 そんなこともあって、「他の先生を紹介してあげるよ」と言われ、その時に田辺一鶴という名前が出たんです。そうしたら「一度、講談大学においで」と言われ、当時開いていた教室に行ったのがきっかけです。

 うちの師匠は入門希望者があると、この際だからと他の講談大学の生徒さんとかを一緒に入れていたんですが、私は辞めてしまった鶴千世さんと、今の(田ノ中)星之助さんと三人で門を叩きました。

(以上、敬称略)

▼講談師 田辺一邑 公式ホームページ

▼田辺一邑(講談協会 公式HP)

(11月30日公開予定の「中編」に続く)

追善の講談会(昼の部・夜の部)はこちら。

新宿講談会

田辺一鶴十七回忌追善興行

〈昼の部〉

  • 日程:
  •  12月18日(木) 開場12:30 開演13:00
  • 会場:
  •  新宿永谷ホール(Fu-)
     (新宿区歌舞伎町2-45-5 新宿永谷ビル1F)
  • 出演:
  •  田辺凌々
  •  田辺一記・宝井一凜
  •   「三方ヶ原軍記」(車読み)
  •  田辺鶴遊「生か死か」
  •  田辺南北「お楽しみ」
  •  田辺銀冶「東京オリンピック」
  •  田ノ中星之助「瞼の母」
  •  宝井琴梅「名月若松城」
  • 料金:
  •  予約2,800円 当日3,000円
  •  ご贔屓連2,000円
  •  
  • 詳細・予約:
  •  講談協会 公式ホームページ

新宿講談会

田辺一鶴十七回忌追善興行

〈夜の部〉

  • 日程:
  •  12月18日(木) 開場17:30 開演18:00
  • 会場:
  •  新宿永谷ホール(Fu-)
     (新宿区歌舞伎町2-45-5 新宿永谷ビル1F)
  • 出演:
  •  田辺凌々
  •  田辺凌天・田辺いちか
  •   『三方ヶ原軍記』(車読み)
  •  田辺凌鶴『高野長英』
  •  桃川鶴女『瓢箪屋政談』
  •  田辺一乃『東京オリンピック』
  •  田辺一邑『英国密航』
  •  田辺鶴英「田辺一鶴物語」
  • 料金:
  •  予約2,800円 当日3,000円
  •  ご贔屓連2,000円
  •  
  • 詳細・予約:
  •  講談協会 公式ホームページ