NEW

ふるい毛と かわを巻き込み はがす音

「朝橘目線」 第8回

貼るといえば……

 自分以上に気になるのが、我が娘たち。

 6歳の長女、4歳の次女の交友関係だ。幼稚園にお迎えに行って、そのまま隣の公園に流れると、毎度お友だちがうちの子たちと遊んでくれて、心からほっとする。同じ遊具でも新しい遊びを編み出したりと、子どもの日常は実に楽しそうだ。

 親に買ってもらったおもちゃを誰かが持参すると、たちまち人だかりができる風景は、非常に微笑ましい。もうすぐクリスマス、からのお正月。年明けの公園は、目を輝かせる子どもたちと、そのキラキラの代償で財布が弱った保護者の、濁った目が彩ることになるんだろう。

 しんどいけど、自分も子どもの頃はそんなだったし、娘たちを丸腰で外に出すようなことは、なるべくしたくはない。お友だちとお揃いのアイテムでキャッキャしてほしい。

 そんな娘たち界隈で、最近耳にしたワードが「シール交換」だ。台紙のまま所持するのではなく、透明のバインダー、シール帳に貼って、かわいくページを飾ったりお友だちと交換したり。いかにも女子と思いきや、長女のお友だちの男児と先日、道で遭遇したらシール帳を見せてくれた。私が子どもの頃もビックリマンが流行ったし、シール文化は男女どっちも楽しめるんだろう。

 コミュニケーションの大切さは、大人も子どもも関係ない。持ち運びも含め、色々お手軽なシールは、コミュニケーションツールにはうってつけというわけだ。

 ネット検索によると、どうも平成の頃、大変なブームになったらしい。その頃の女児が母親になり、今度はその子どもたちが……だと思ったら、平成女子が大人になってまた楽しむようになり、それが子どもたちにも伝播しているようで。これは流行る条件が整っている。

 子どもだけの流行りだと、親は抑止力になる。お母さんなんか特にだろう。「無駄遣いは止めなさい!」で片づけられる。でも親にとってはリバイバルブームだったら……。

 そして現役シーラーの平成女子は、大人の経済力で買い漁るはず。