浪曲ほど素敵な商売はない

「浪曲案内 連続読み」 第8回

新作浪曲三本に託す思い

 新作は、演り込んでいって成長する、本当に子どものようなものです。来年も浪曲を広く知っていただくために、いろいろな新作に挑戦したいと思います。また「野狐三次(のぎつねさんじ)」などの古典を発掘して、再び世に送り出すために、今のお客様にお楽しみいただける形に工夫していくことにも力を入れるつもりです。

 そうそう、新年から浪曲教室をさせていただくことになりました。永谷のお江戸上野広小路亭で、毎月第3木曜日の14時~16時まで。2026年1月15日からはじまります。浪曲を声に出してうなってみると楽しい! お腹から声を出すので健康にも良い! 浪曲の魅力がどんどんわかってくる! 良いこと尽くしです!

 弟子の一陽もようやく芸人、前座らしくなってきましたので、浪曲をもっと世間に広げるために、そろそろ浪曲教室をやろうかなと考えていた矢先にお話をいただきました。人生、流れがあるんだなと思いました。

 一生懸命に生きていればケセラセラ、時の流れに身をまかせ。生徒さんが楽しく浪曲できることを第一に、頑張りますのでお気軽にご参加くださいませ。

 私は舞台でよく云っておりますが、浪曲は「浄瑠璃(じょうるり)の語り物(かたりもの)の系譜」と云うこともできます。

 浄瑠璃とは、三味線を伴奏楽器として太夫が詞章(ししょう)を語る音曲・劇場音楽のこと。

 江戸時代初期から、個々の太夫の名前を取って「◯◯節」と呼ばれるようになりまして、現在は、義太夫節、河東節、一中節、常磐津節、富本節(大河ドラマ「べらぼう」に出てきました)、清元節、新内節、宮薗節などが存在します。

 その後、明治時代に入ってから成立した浪花節・浪曲は、とても現代的で、自由な芸能です。

 五月一朗先生の相三味線(あいじゃみせん)でいらした曲師の五月歌絵(加藤歌恵)師匠が、「浪曲は自由藝術」と仰っていた言葉が耳に残っています。とても庶民的に感じる浪曲ですが、一部の浪曲芸人は、自由藝術!と芸の誇りを胸に秘め、舞台に立っていました。