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鹿芝居狂想曲 ~しろうとしばいはおおにぎわい~

「すずめのさえずり」 第八回

 この制作さんは、弟さんが本物の歌舞伎俳優さん(!)。当然歌舞伎にも詳しい方で、今回髪結新三のマスコットとも言える鰹(かつお)を手作りで用意してくださった。ちゃんと芝居の通り片身をおろせるようになっているのだ!

 はっきり言って、ちゃんと歌舞伎のことがわかっているのはこの方だけなので、そういう仕掛けの用意から女形の着付け、当日の受付周りまで、八面六臂の大活躍である。「伊達の十役」くらいたくさんこなしてくれている。

 もうこの人の奮闘公演と呼ぶほうがふさわしい。ありがとうございました。

 今までは台詞がちょっとしかない役だったのですぐ覚えられたが、主役はさすがに台詞が多い。こういうときに座長より香盤(落語家の序列)が上だと便利である。

 誰も私を怒れる人がいないのをいいことに

 「はな平さん、ちょっと台詞減らしてくれる?」
 「いいですよ。アニさんのやりやすいようにやってください」

 蜷川さんだったらこうはいかない。

 だいぶシンプルに変えてもらったのだが、覚えてくると今度は物足りない。勘三郎さんが悪の魅力たっぷりにやっていたあの長台詞、やっぱり言いたい。

 「はな平さん、ちょっと台詞足してもいい?」

 完全に寝床の旦那だ。

 本番には、その歌舞伎俳優の弟さんもいらしてくださったのだが、「ありえないところで見得をしているのが面白かった」らしい。もう自信がないものだから、二言三言喋るたびに「バッタリ!」。最初はこれ、笑うところあるかな?と心配していたが、考えてみれば、芸人がかっこいいことをしようとしている時点で、すでにおかしいのであった。

 大いに笑っていただいて盛り上がった髪結新三。今年は12月24日~25日にまたやります。これもひとつの先輩から受け継いだバトン。ますます盛り上がりますよう、皆様のご贔屓お引き立てをお願い申し上げます。

 はな平さん、次は「レ・ミゼラブル」やろうよ。鹿ミュージカル。

(毎月26日頃、配信予定)

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