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古今東西を自在に読む講釈師 松林伯知(中編①)

「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第28回

古今東西を自在に読む講釈師 松林伯知(中編①)

狂言研究会時代に経験した本舞台にて(松林伯知・提供)

瀧口 雅仁

執筆者

瀧口 雅仁

執筆者プロフィール

『笑芸人』編集部の日々

伯知 学芸員や研究者、時代小説家になりたかったんです。この頃ちょうど、「学芸員の空きが出るまで10年かかる」と言われていた時で、自分の専門に合うところに行くには、さらに時間がかかる。そこで、うちの大学の先輩方の進路で多いのが、いったんマスコミに行ってから、小説家などに転身するというのがありまして。マスコミや出版社の実務経験が3年あると、希望の就職先の採用に有利なところが多かった。

 どうせ10年待つならば……と編集バイトを探したと言うわけで。それにマスコミにいて、そこから小説であったり、映画や芸能に関する書き物に進む人が多かったので、そうした道を模索していたんですが、どうしてもマスコミで働くとなると、実務経験を求められてしまうんです。その中で白夜書房はウェルカムで、落語の本作りに携わったのは『落語ファン倶楽部』の第二号あたりからです。

伯知 大人計画とか三谷幸喜の特集も組まれたりしてましたよね。私は「笑芸人」から「落語ファン倶楽部」に切り替わって以降の編集部員でしたが、落語の師匠の自伝本やラジオ本、時代劇ムック等々、貴重な経験をさせていただきました。

伯知 毎日インタビューをして、それを構成して、三遊亭圓生(六代目)の特集の時は、圓生百席と東横落語会の聴き比べをしていたので、とにかく一日中落語を浴び続けていました。笑福亭鶴光師匠の自伝本を作っている時に、のちに師匠になる神田紅のところへ写真を借りに行くことがありました。上野広小路亭で講談教室をやってるから、そこで受け取りということになって、出向きまして、ついでにちょっと講談教室を見学させてもらいました(笑)。

伯知 講談教室があるのは知っていたんですが、やはりその頃、師匠の写真を借りに行かなくてはならなくて、教室のある日に覗いたら、私の知っている好きな歴史の話をしているので、楽しそうだなと思いました。狂言はやり続けるのは難しいですし、教室は夜も開講していたので、習いに行くことにしたんです。