古今東西を自在に読む講釈師 松林伯知(中編①)
「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第28回
- 講談
瀧口 雅仁
2026/03/13
ゲームも創作の刺激に
―― それはぜひ、すぐにでも取り組んでもらいたい!
伯知 でも私、充電しないと取り組めないんです。映画を見たり、ゲームをやったりして。刺激を受けて充電したら、さあぼちぼちやるか……と、取り掛かるまでが遅い(笑)。やろうと思って、取り掛かれればいいんですが、今はやることが多くて。
ゲームって、シナリオの展開の勉強にもなるんです。最近だと(コーエーテクモゲームスの)『仁王3』というゲームは、徳川家光(ゲーム内では、徳川竹千代)が主人公で、神田の一門の講談ネタでは特に頻出の人物じゃないですか。プレイしながら「最近、春日局やってないなあ」「宇都宮釣天井や保科正之の台本も創り直したいなあ」なんて、古典をやる時にも新作をやる時にも勉強になる(笑)。
竹千代が過去にタイムスリップして、敵として山県昌景(やまがたまさかげ)も登場するんですが、これがやたらに強い(笑)。本多忠勝(ほんだただかつ)も強くて、講談の軍記物では必ず山県は強敵として修羅場で出てきますが、そうしたことをゲームで実感できる。そうすると、次に山県を高座で演じる時はもっとこうしよう、と演出イメージが変わるわけです。『仁王3』は100万本売れたとニュースになってたので、打倒山県昌景に苦労した全世界の100万人のプレイヤーさんたち、講談を聞きに来てくれませんかね(笑)
―― それは伯知さん次第です(笑)。
そう言えば、私の真打昇進の披露目や講談会にも、オンラインゲームでできた友だちが大勢聴きに来てくれたんですよ。とにかく、そうした刺激をもっと受けてからではないと、取り掛かれない。母親がこんなことも話してくれました。小さい頃、私は歩かない子だったんだそうです。ある冬に「雪だ!」と聞いたら、すっくと立ち上がって庭までダッシュして行ったんですって。私は、よし、これだ!と興味をバッチリ持つか、何か得になることがないとやらない。そんな性格なんです(笑)。

次回の〈中編②〉では、明治の人気講釈師・初代松林伯知の魅力と、その名跡を令和に継いだ三代目の思いに迫る。探偵講談や翻案小説など、まだ知られていない明治講談の面白さも紹介。歴史好きにも刺さるインタビューとなっている。
(以上、敬称略)
▼『猫遊軒』講談師 松林伯知公式HP
▼松林伯知 X
●近々の予定

伯知の講談忍法帖
昭和百年・特撮の巻
- 日程:
- 2026年3月21日(土)
- 開場 17:00 開演 18:00
- 会場:
- お江戸 上野広小路亭
- (台東区上野1-20-10)
- →Googleマップ
- 出演:
- 桂しん華
- 桂夏丸
- 瀧川鯉朝
- 藤本芝裕
- 松林伯知『円谷英二』他一席
- 座談:特撮トーク
- 料金:
- 予約 1,500円 当日 2,000円
- 予約:
- メール
- →kodan@hakuchi3.com
- ※公演名、人数、フルネーム、電話番号をお知らせください。
(中編②に続く)
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―― 瀧口雅仁「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」シリーズ連載一覧
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