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師匠、もうヨーグルト食べたくないって言ってたよ

「かけはしのしゅんのはなし」 第14回

師匠、もうヨーグルト食べたくないって言ってたよ

絆と礼儀が息づく落語家のお中元、その知られざる作法(画:信吉)

春風亭 かけ橋

執筆者

春風亭 かけ橋

執筆者プロフィール

 今月のテーマは、『お中元』。

 7月1日は、お中元の解禁日として、毎年カレンダーに記入しています。いま世間では、お中元の文化はどのぐらい残っているんでしょうかね。

 デパートでは特設の催事場が賑わっているので需要はあるのでしょうけれど、「年賀状じまい」と言われる昨今、お中元文化も縮小傾向にあるのは間違いないでしょう。

 子供の頃、瓶の原液カルピスや缶ジュースがギッシリ入った箱が家に届いていたことを思い出します。右手にりんごジュース、左手にパイナップルジュースを持って、交互に飲みながら「夏休み最高!!!」とはしゃいでいたあの時が、私の人生で一番輝いていた瞬間かもしれません……。

 私が「お中元」という文化をしっかりと認識したのは、落語界に入った時でした。それも一門ごとにルールが違うので、必ずしも落語界全体の決まりごとというわけではないのですが、人によって作法が違います。

 前座時代は、お中元を持って師匠宅や喫茶店へ行き、親と一緒に近況報告を兼ねてお話を伺います。ここでは弟子から師匠へのお中元ではなく、「親から師匠へのお中元」となるため、熨斗(のし)には親の名字が書かれます。「親代わりとして、子供を預かっていただいている」という意味合いだからです。

 それが二ツ目となると、前座修業を経ての一本立ちということで、今度は熨斗に自分の芸名を書いて師匠の元へ持参します。あらかじめご予定を伺って日時を決め、お渡しに伺う大事な行事となります。