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師匠、もうヨーグルト食べたくないって言ってたよ

「かけはしのしゅんのはなし」 第14回

 ある日、その師匠が弟子たちに、少し機嫌が悪そうに釘を刺しました。

 「お前たち、俺がヨーグルト好きだって表で言い触らしているだろう。もうしばらく食べたくないから、ヨーグルトのことは言うなよ」

 もう師匠は召し上がらないからと、弟子たちが決まりが悪そうにヨーグルトを消費していた、まさにその時です。家のインターホンが鳴りました。玄関ドアを開けると、そこには箱を抱えた笑顔のかけ橋さん!!!

 「お中元のご挨拶に伺いました!」

 ま、まさか、その箱は……!? 声を潜め、恐る恐る尋ねる弟子たち。

 「兄さん、失礼ながら箱の中身はなんでしょうか……」
 「師匠が好きなヨーグルトだよ!!!」

 と満面の笑みで答える、かけ橋。この後の修羅場(しゅらば)を想像して引き攣った顔をするお弟子さん。

 ……本当に、こんなことになりかねないのです!

 そんな失敗を避けるため、私はその方の好物よりも「苦手なもの」を調べた上で、「自分が実際に使って良かったもの」を贈るようにしています。

 最近の私のお中元の定番は、「瓶のアイスコーヒー」です。プレゼントの鉄則は「自分では買わないけれど、貰ったら嬉しいもの」。1本約2,000円のアイスコーヒーなんて、自分ではなかなか買えませんからね。

 お稽古の御礼でお渡しすることもあるのですが、浅草演芸ホールの稽古場からご自宅まで持って帰っていただくのは荷物になるため、その場ではお渡ししません。

 自宅に伺う時であれば、私が持っていけばいいだけなので問題なし。コーヒーをお飲みになる師匠方には、とても喜んでいただいています。