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カフンを待ちわびて

「マクラになるかも知れない話」 第八回

いやもう根性って言葉じゃ足りません

 しかし、この「お客さんの前に出ると平気になる」現象は、何なのでしょうか。

 とある師匠は、「痛風の発作が出た」と言って、松葉杖をつきながら寄席に来ました。

 ものすごい気合。

 痛風は、とんでもない痛みだと聞きます。普通、発症したら家から出ないでしょう。こういう時はさすがに正座はできないので、釈台という講談の先生方の使う台を拝借して高座を務めるのが普通ですが、この師匠は「大丈夫」と、高座にすーっと上がっていって正座して一席やって降りてきました。

 そして「イテテテ」とか言いながら、着替えてお帰りになりました。

 もう根性の範囲ではない。

 私は、足首から踵(かかと)のあたりに炎症が出たことがあります。その時、医者にかかって帰り際、「無理しないようにね、その症状は痛風の次くらいに痛いからね」と言われました。この痛みがあった時、私は「あいびき」という正座補助椅子がなくては座れなかった。

 あの痛みより痛いのに!?

 普通に正座してたよ!?

 マジリスペクトでございます。

 恐らくお客さんの中で気づいた方は皆無でしょう。

 すごい――。

 この謎を解明すれば、痛風の特効薬もできるぞ。