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講談界を駆ける一鶴イズムの継承者 田辺銀冶(後編)

「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第26回

講談界を駆ける一鶴イズムの継承者 田辺銀冶(後編)

現在の師匠であり、母である田辺鶴英と。2025年5月「母娘会」にて(撮影・ヤナガワゴーッ!)

瀧口 雅仁

執筆者

瀧口 雅仁

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古典の面白さ、その核心

銀冶 「伝承の会」がきっかけなんですが、(宝井)琴梅先生にお稽古をつけていただけるようになって、『は組小町』といった話といくつかいただきました。そうしていたら「あなたに合いそうな話があるから来なさい」と言われて、教えていただいたのが『新吉原百人斬り』でした。

 悪い人間が出てくる話は、非日常の世界を描くこともあって面白い。大好きな話なんですが、男の人が主人公で、しかも悪い男性となるとなかなか難しい。もうすぐ読み終わるんですが、この先も読み続けていって、もっとうまくなっていつか十八番になったらいいなぁ。

 今、古典の面白さを感じている時なので、『大石妻子別れ』と『新吉原百人斬り』は、私を古典に夢中にさせている話と言えます。

銀冶 あれは最初「軍談倶楽部」として始めた会で、「講談は軍談に始まり、軍談に終わる」と話していた一鶴の言葉が頭に刷り込まれていて、ならば講談の神髄に挑もうということで企画した会です。

 時期的にコロナ禍にあって、講談を読む場がなくなっていたので、ARTS for the future!(コロナ禍を乗り越えるための文化芸術活動の充実支援事業)の助成金をもらって始めた会です。

「軍談倶楽部」二回目の集合写真。左から一龍斎貞橘、宝井琴鶴、田辺銀冶、宝井琴凌(提供・田辺銀冶/撮影・ヤナガワゴーッ!)

銀冶 軍談倶楽部は4回しかできなかったのですが、出演者の一龍斎貞橘先生と宝井琴鶴先生が「軍談を読む勉強になるから、こういう会続けたいね」と楽屋で話してくださって、「じゃあ、少し形を変えて続けましょうか」という感じで軍談道場が始まりました。来月から、シーズン6が始まります。

銀冶 好きですし、楽しい。カッコいいじゃないですか軍談って。