私はもっとかっこいいはずだ。

柳家さん花の「まだ名人になりたい」 第2回

フライドポテトが主食の街で

 私の地元のハンバーガー屋は、いつもフライドポテトがしょっぱい。

 周辺に住んでいるのが低所得者層で、肉体労働者が多い。たくさん汗をかいたら、塩なめたいよね?という無神経100%の優しさである。

 電車もそうだ。冷房がイヤというほど効いている。これもやはり肉体労働者は仕事がサウナみたいなもんだから、「水風呂代わりに車両冷やしておきましたよ」と言わんばかりの温度設定である。

 当の利用客は、フライドポテトを主食にし、電車に乗ると極楽だと言う。なるほど、受け取る側が飢えてさえいれば、扱う側のデリカシーや思いやりはどうでもよいのだ。

 雨なら濡れることを喜べる状態になればいい。普段から水分を摂らず、脱水症状で日常を過ごす。雨の恵みを農作物からでなく、自らを大干ばつにすることで味わうのだ。永田農法でなく、私が永田になるのです。

 私は何を言っているんだ?