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たいこ腹、粗忽長屋、甲府い

林家はな平の「オチ研究会 ~なぜこのサゲはウケないのか?」 第2回

たいこ腹、粗忽長屋、甲府い

甲府い (画:おかめ家ゆうこ)

林家 はな平

執筆者

林家 はな平

執筆者プロフィール

奥深い「オチ」の世界

 落語には、「オチ(落ち)」がある。噺家は、「サゲ(下げ)」と言うことが多い。オチという考えは、日本独特かもしれない。話にオチをつけたがるのは日本人の性(さが)で、普段の会話においても話にオチをほしがってしまう。

 そんなオチの元祖とも言うべきなのが落語のオチなのだが、そのオチの中にも「秀逸なもの」と「くだらないもの」がある。そしてもう1つ、「説明しないとわからないもの」も存在する。そんなオチを筆者なりに分類してみた。

 分類は、大きく分けて次の3つで、「あらすじ」「オチ」「解説」の三部構成で説明する。

☆(星1つ)
 簡単でくだらないオチで、洒落(韻を踏んで)で終わっているものがほとんど。その落語を終わらせるために、オチをつけたようなネタを集めた。

☆☆(星2つ)
 説明が必要なオチで、聞いた瞬間にわかる人と少し遅れてわかる人がいて、意見が分かれる噺を集めた。洒落で落としているネタでも、その文句自体が使われなくなっていて、説明が要るネタも☆☆とした。

☆☆☆(星3つ)
 秀逸なオチ。その落語全体に掛かってくるような少し壮大なオチを集めてみた。

 第2回目となる今回は、『たいこ腹』『粗忽長屋(そこつながや)』『甲府い(こうふい)』の3つのネタを解説していこう。なお、○席目という表記は、第1回からの通算の数となる。