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私が思う「落語界とお笑い界の違い」(前編)
ピン芸人・服部拓也の「エンタメを抱きしめて」 第2回
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師弟制度と学校
基本的に、落語は師匠に弟子入りして「入門」という形で芸事を始めますが、お笑い界では、「お笑いの学校(養成所)」が主流です。
有名なのが、1980年代に開校した吉本興業のNSC(吉本総合芸能学院)で、私も入学経験のある養成所です。大阪NSC1期生のダウンタウンさんが、師匠を持たずに売れた先駆け的なお笑い芸人の代表格ではないかと思います。
現在でも、落語家になるためには弟子入りが入口となる落語界に比べ、近年、多くのお笑い事務所が養成所を持つようになり、入口は広くなりました(落語家さんも、まず大学の落語研究会(落研)で落語を学んでから、弟子入りするケースも多くあります)。
また、お笑い界では、「学生芸人」として高校生や大学生の頃からお笑いサークルで切磋琢磨し、事務所に所属せずにプロになり、そのまますぐ売れる!という、とんでもない人材が次々と現れています。
私を含む、いわゆる「地下芸人」にカテゴライズされる、大手メディアに引っ掛からない無名・マイナーのオジサン芸人たちは、そんな有望な若手に戦々恐々しながら、ライブ終わりの打ち上げで、3杯目から人間を壊すためだけに作られたような「魔酒」と呼ぶ、昨今の物価高に抗った安いお酒を飲んで奮起しています(笑)。