NEW
あふれる情熱と笑顔 神田鯉花(後編)
「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」第5回
- 連載
- 講談
映画と講談の交差点
―最近、映画の主演も務めましたが、学ぶことや刺激はありましたか
鯉花 まず、やってみて面白かった! 普段は楽屋-高座-楽屋の繰り返しで、基本的に個人芸ですが、映画は多くの人たちと形の残るものを作っていくというのが不思議で、スタッフさんが沢山いることに、まず驚きました。そうした仲間たちに助けてもらいながら、みんなで一つの物を作ることの楽しさ。そして作品として残り、それを繰り返し見られる楽しさがありました。
―拝見して一番に感じたのは、全くの自然体の鯉花さんが画面の中に現れたことで、大変に面白かったです。監督に何か演技のこととかで言われたことはありましたか。
鯉花 私の寄席での姿を見て、キャストを決めたということなので、あて書きに近かったようで、あまりうるさくは言われませんでした。「基本的に無表情でお願いします」と言われました。あと、もっとクセを出してください!と。ジェスチャーを見せる場面があるんですが、もっと心と連動するように動いてくれと言われて、あれこれ考えながら、やっている内に楽しくなってきました。メイクさんからも、鯉花さんにピッタリだねと言われました。
―いい経験になったみたいですね。
鯉花 いい経験でした。あとで観た時に、ワクワクしている自分がそこにいたんです。演技と高座は違うということも学びましたし、作られたセリフはノイズになることがありますから、聴いていても無理のないような、日常会話を心掛けました。それに楽しい人たちに会えたのが楽しかったです。
