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あふれる情熱と笑顔 神田鯉花(後編)

「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」第5回

10年後のビジョン

鯉花 筋力がなく、弱そうに見えるせいか、よく人に言われますが、「見た目と高座とギャップがある。そこが良いね」と。それですかね。あと自分ではよくわからないんですが、「憑依型だから、普段と全然違う」とも言われます。そう言われるのであれば、もっとどれが本当に鯉花なんだと思われたい。以前は歳をとるのが嫌でしたが、今は歳をとるのが楽しくて仕方がありません。歳も芸も重ねながら、自分のことをコツコツとやっていきたいですね。

鯉花 順当に行けば、真打になっていると思います。その時まで、まずは師匠に元気でいてほしい。そして、老若男女問わずに「鯉花さんって面白いね。また聴きに行きたいね」って思っていただけるような、そして好きでいてもらえるような、そんな芸人になっていたいですね。

鯉花 持ちネタを大切にして、高座の数を増やしていきたいです。長所は長所として伸ばして、短所は少しでも良くしていく。そのためにも自分自身のバランスを崩さないで行きたい。

 桂伸治師匠に「我々の業界は長距離だから。自分のペースでいいんだ」と言われたのが心に残っています。そのためにも、これからは連続物の『水戸黄門記』や『柳沢昇進録』のブラッシュアップ、それに怪談ももっとかけていきたい。慣れているネタを掘り下げていきながら、楽しんでいく。そして、真打に昇進した時に『柳沢』を売り物にして、「神田鯉花と言えば『柳沢昇進録』!」と言われるように目指していきます。

 怪談にしても「夏だねぇ、聴きたいねぇ、鯉花の怪談を」と言われたいし、そうして寄席に来たお客様に「あいつ、本当に化けて出そう……」とも言われたい(笑)。そのためにもコツコツと頑張っていきますので、今から神田鯉花を応援していってもらいたいです。どうぞよろしくお願いいたします!

(以上、敬称略)

(了)


(毎月26日頃、掲載予定)