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二合目 ~塩釜漫遊記
酒は“釈”薬の長 ~伯知の日本酒漫遊記~ 第2回
- 講談
大人のドリンクバーに夢中! 浦霞のコイン式利き酒サーバー
浦霞の銘柄は知っているが、蔵の名前が「佐浦」だということまで知っている人は少ないかもしれない。でも道を歩いて行けば、浦霞の文字がどーんと掲げられているから、迷うことなく安心である。

突然訪れたため、蔵見学はできないので、併設の浦霞酒ギャラリーの中に入ると……ずらりと並ぶ浦霞! そしてなんと言っても魅力的なのが……そう、「コイン式利き酒サーバー」である!


レジにてサーバー用のコインとお猪口を購入し、展示してある酒のボタンを押すと、試飲ができるという仕組みになっている(巻頭の写真は、そのサーバー用のコインとお猪口)。
水戸駅の茨城地酒バーや仙台駅の藤原屋にもあるが、このサーバー式の利き酒を、私は「大人のドリンクバー」として愛しているので、見かけるとテンションが異様にあがる。お猪口+試飲3種でなんと400円!(次回、来店時このお猪口を持ってくると100円引き)
ニヤニヤしながら今回、選ぶ三種は……
・純米吟醸 浦霞No.12
・純米吟醸 寒風沢
・宮城県限定 純米生酒 浦霞
どれもとにかく爽やか、フレッシュ、飲みやすい! とくに浦霞No.12は、酵母を復活させて作った新酒とのことだが、サワーを飲む若い人やワインを飲む層の人にもオススメできるキレの良さと酸味かなあと感じる。
少しずつ飲むにしても、美味い酒は飲めば陽気になるもので、外へ出てニヤニヤ思い返しながら駅へ向かう途中、思い出したのが店内にあった冊子の浦霞説明記事。
「浦霞は食中酒としての味わいを大切にしています、たとえばマグロや牡蠣との相性は格別です」
そうだ! まだ酒に合う飯を食べていないじゃないか!と思い出し、「まだ酒の味が口の中にあるうちに!」とマグロと牡蠣を求めて塩釜の店へ飛び込んだのでした。

酒の後に身体に染み渡る牡蠣だし、塩のきいた
ふかふかの米。最高である

大トロ中トロ赤身に炙り、ネギトロまで塩釜のマグロを
味わい尽くせて最高……。とろける脂とスッキリ純米の
宮城の地酒の組み合わせが好み。
塩竈神社の階段を昇り降りした運動量も、こうしてカロリー取りすぎによって相殺されちゃうんだよな~と思いつつ、やはり酒飲み食べ歩きは止められない!と思った1日でした。
〈余談〉
翌日からの花座興行のマクラで、この塩釜と酒の話をしたところ、「日本酒好きとお聞きしたので……。いえ、名乗るほどのものではございません……」と、格好よくオススメの宮城の地酒、小僧山水(金の井酒造)と森民(森民酒造本家)を差し入れてくださったお客様。もしご覧になっていたら、有り難うございました! とても美味しいお酒でしたので、その後、市中にある酒蔵にもお邪魔いたしました。

(以上、敬称略)
▼浦霞醸造元 株式会社佐浦
(毎月21日頃、掲載予定)