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宿題

三遊亭天どんの「テーマをもらえば考えます」 第1回

「自慢じゃないけど」って言いたくなるほど、作ってきた

 さて時が進んで、ワタクシは24歳の時から落語家になりました。師匠の円丈には、新作落語をやるために入門しましたので、前座の時からボチボチ30年間、ネタを作ってることになります。

 二ツ目になって新作を作り始めたのはいいものの、二ツ目の途中でサボったり、真打になってあまり作らなくなったりする人も結構います。しかし、手前味噌ですが、ワタクシは今日までずっと作り続けているのです。古典の場合は覚えてやることになりますが、新作はまず自分で作らないと覚えることもできません! コレが決定的な違いです!!

 「何? お前、急に自慢してるの!?」

 そうではありません。何が言いたいのかと申しますと、新作のネタ下ろしが「宿題」なんだよ! 今でも「宿題」やってんだよ! ずっと「宿題」あるんだよ!! あ、ちなみに「ネタ下ろし」って新ネタをやることですよ。

 前座の頃は、ネタを発表できる機会がもらえるだけでも嬉しいことです。そして、二ツ目では、自分で会をやれる! いや、やらなくてはいけない。さらに真打になっても、自分のためにも続けることが大事。

 キャリアや状況が変わっても、リスクが変わらないのがネタ下ろし。もちろん古典でも、ほかとの違いを見せなければなりません! 特に新作はウデの違いは出るにせよ、前座でも良いネタができればウケる! 真打でもネタが悪ければウケない! むしろ一発のリスクが高いのが、新作の面白いトコロです。

 思えば乱暴なハナシで、大抵はネタ下ろしの会が決まってから噺を作り始めます。

 前座の頃は、ネタが思い付いても、作るウデが追いつかない。二ツ目では、アイデアが尽きたり、思い付かなくなる不安がある。真打になったらネタが思い付いているけど、体力的にキツくなってくる。

 そう、宿題はいつになっても面倒くさいのです! しかも義務じゃないからねー、教育じゃないからねー。それでやめちゃう人が多いのよ!?

 でもね~、一度、立ち止まっちゃうと、また始めるのは多分、自分にはもうムリっぽいからね。コツやら、気持ちやら。もったいない?ので、行けるトコロまでやり続けますわー!

 そう、『長期の休みの宿題って、学力が落ちないように、毎日少しずつやることに意義があるんだよね。当時の先生! そっちも、ちゃんと教えといてくれよ』って、自分で気付いたのがココに活きているのです!