オシャレだね その一言が 聴きたくて(後編)
「朝橘目線」 第5回
- 落語
三遊亭 朝橘
2025/09/08
キモセンサーの恐怖! 白T+黒ボトムが生まれた理由
元来、家を守る役目を担ってきた女性は、瞬時に不審者や異物を避けるためのアンテナが発達してきたんだと思う。家の周りをうろつくあやしい男、口に入れたら大変なことになりそうな食材。頭で考えるより早く排除することで、家や子どもを守ってきたそのスキルが今なお、女性には備わっている気がする。
女性のキモセンサーに引っかからないようにしないと、男は居場所がなくなる。白Tシャツ+黒ボトムの組み合わせとは、キモセンサーに対する恐怖の産物だと思う。
現代社会において、男性はいささか叩かれ過ぎた。外で叩かれ内で叩かれ、ネットで叩かれリアルで叩かれ。叩かれ疲れた弊害が、あの何の特色も個性もないモノクロコーデを生み出したような気がする。
キモいと言われて無傷の人なんていない。誰だって悪く言われたくない。自己防衛のための甲羅。それがこの白T+黒ボトムなのではないだろうか。
なんだかとてもくたびれている感じが出てしまったが、無難な服装でいることが苦痛かと言うと、案外そうでもない。これも前回述べたが、中高時代の制服と同じ効果で、あれこれ悩む必要がなくむしろ助かっている。
心配なのは白黒コーデが、いつ「キモい」側に振れるか。まあその頃にはきっと、新たな無難が誰かの手によって作られると思う。我ながら衆愚だと自嘲せざるを得ない。
なぜ男はダジャレを愛するのか? おやじギャグの深層心理
すっかり及び腰になってしまった現代男は、もうオシャレできないのか。そんなことは決してない。男のオシャレは「言葉選び」これが男の生きる道であると思う。
言葉遣いや話し方、レトリック・比喩表現の用い方等々……。女性がそういうことが苦手だ、というわけではない。そっちのオシャレを好んでやりたがるのは圧倒的に男性が多い、ということ。
なぜダジャレのことを「おやじギャグ」と呼ぶのか。「おばちゃんギャグ」とは言わない。これは女性より男性の方が、ダジャレを言いたくて仕方がない生き物であることの、何よりの証左だと思う。
噺家稼業の悲しい性で、自宅にいてふと思いついてしまった謎かけやダジャレを、妻に言うことがある。それ自体が「キモい」と言われたらもう泣くしかない。だが頭に浮かんだシャレをそのまま流すのは、とっても辛く悲しい。
一人暮らしの時は泣く泣く諦めていたが、家に人がいるなら聴いてもらいたくなるのが人情である。結婚して以来、何度もそうしてきた。そのたびに妻は「おぉ~」という感嘆詞を口にする。
これがどうにも恥ずかしい。なんでだろう。ずっと引っかかっていた。今回、このエッセイを書くにあたり、深く考えてみた。
これもまた、男女の違いの一つなんだと思う。男性は、他の人が上手いこと言うと「上手いねどうも」と言いつつ、内心腹を立てる。中には露骨に顔に出る人もいる。
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