番頭色々

入船亭扇太の「お恐れながら申し上げます」 第3回

楽屋に入れるお菓子や軽食、弁当あれこれ

 披露目が始まると、楽屋にお菓子や飲み物を入れます。定番は、

 ・のど飴
 ・ラムネ
 ・チョコ
 ・豆菓子
 ・カルパス(ドライソーセージ)
 ・茎わかめ

 などなど。口上の後は、師匠方や手伝いの二ツ目がビールやハイボールを飲むので、おつまみ系はすぐになくなります。

 人気は、帆立の貝柱とごんじり(寒干し大根のスナック)。特に貝柱はすぐになくなるので、何度、買い出しに行ったことか……。今回は鰻のかば焼き風味のあられが意外と好評で、今後の定番になるかもしれません。

断ち物のブリを解禁した兄さん

 ほかに新真打から軽食を出します。これは個性が出ます。定番は、まい泉のカツサンドや笹巻き寿司。扇白兄さんは、湯島「つる瀬」さんの「むすび梅」を出しましたが、大変喜んでいただけました。美味しいものを知っていると、役に立つなぁと思いました。

 「このお店のこれが美味しい」というものがあれば、ぜひ教えてください。できれば個包装になっているものがいいです。

 披露目のお弁当特集は『そろそろ』の8号に掲載されています。そちらも読んでいただきたいです。扇太がセンターで載っています。私は「蔦屋」ののり弁が好きです。「崎陽軒」もいいですね。「弁松」も美味しいです。もう、何でもいいです。お弁当は嬉しくなりますね。

塩梅が難しい打ち上げ

 実は一番大変なのが、打ち上げです。お店の予約をするのですが、人数が直前まで決まりません。10人から30人になることも。こちらの事情を話して色々と融通していただくのですが、この塩梅に気を遣います。

 人数を多めに伝えて少なくなると、ご用意いただいたものが無駄になるかもしれません。逆に少なく見積もって予想外の人数になると、「そんなに入れません!」「立っててください!」なんてことになりかねません。

 今回は問題なく席を用意していただけました。ご厚意に甘えさせていただきました。この場を借りて御礼申し上げます。

 番頭として打ち上げに出ると、不思議なことに酔えません。料理やお酒は美味しいのですが、気にかかることがあると、味が半分くらいしか感じられません。もったいないので、今度は個人でゆっくり行こうと思うのですが、披露目の打ち上げで伺うお店は高級店が多く、自分で行くにはなかなか難しいです。

 「このお店が美味しいよ」というのがあれば、ぜひ連れて行ってください。喜んでついて行きます。