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11月7日は鍋の日 →高級食材を食いまくった男の疑問
「エッセイ的な何か」 第6回
- 落語
ダメ！ ゼッタイ！
そしてまた再び、勿来温泉の仕事に行く機会があった。
奇しくも時期もまた同じ、鮟鱇の旬。「またアンコウ鍋、食べ放題かなぁ」「美味しいけど、凄い量を食べさせられるから、なるべくお腹を空かせておかないとなぁ」などと考えながら、夕食の時間を迎える。
……しかし、食堂に通され、出てきたのは普通のご飯。
あれ？ いや、このご飯ももちろん美味しかったのだけれど、若干の肩透かし感は否めない。前回の、あの怒涛の鍋っぷりは一体何だったのだろう？ 幻だったのか？
疑問に思っていたところ、副支配人から衝撃の事実が。
なんと、この施設で一番高額な『あんこう鍋宴会コース』に数十名の予約を入れ、当日連絡もなく、誰一人来ないという事態が発生していたらしいのだ。いたずらなのか、連絡の不行き届きかは分からないが、当時の地方新聞の記事にまでなった事件であった。
連絡がまったくつかなかったということなので、おそらく悪意のある行為だったのだろう。
そんな真っ只中に我々が来訪。この行き場のないアンコウ鍋たち、捨てるぐらいならと僕らのお腹に入るという運びになったのだった。こちらにとってはラッキーであったが、施設側としたらたまったものではない。
それこそ、経営が焦げ付いてしまうではないか。そう、お鍋の底に貼り付いたマロニーちゃんのように。
なので無断キャンセル、ダメ！ ゼッタイ！（できれば落語会も）
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