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百花繚乱! 10人組の落語家ユニット「芸協カデンツァ」がやって来た【前編】

「ピン芸人・服部拓也のエンタメを抱きしめて」 第7回

手探りで始まった定例落語会

 メンバーの中には、過去にカフェコマドの落語会に出演された方もいたのだが、私が手探り状態の時期だったので、ゆっくり話す時間やパーソナルな部分を聴くことはあまりできなかった。

 ほぼ初対面で、どんなメンバーが毎週やって来るのか楽しみと不安の中、2023年6月7日、カフェコマドでの定例落語会「水曜日のカデンツァ」の第1回が始まった。

 その日、出演する3名のオープニングトークから、それぞれ1席ずつ、終わりでさらにトークという人となりや関係性もよくわかる会。「カデっ子」と呼ばれる芸協カデンツァのファンがたくさん来た。

 配信でも「会場移転おめでとう!」というメッセージがたくさん来て、お祝いムードの中、前の会場問題の近況トークも赤裸々に、よくお金の話が出ていた。そんな大変だったであろう“イザコザ・ジャーナリズム”なトークが、より応援したいと思った。

「水曜日のカデンツァ」の様子①

 最初は、メンバーも環境に慣れるまで時間がかかると思い、場所と私(笑)に慣れてもらうため、毎週少しずつメンバーと色んな話をした。お笑い、映画、漫画、音楽、お酒などなど。終演後には、お客様も交えたカフェコマドでの打ち上げで、より個性がわかった。

 会をもっと広められ、微力ながら協力できるようにと、2024年からはカフェコマドのYouTubeチャンネルで、それぞれ10人とラジオを録った。落語家になるまでの話、好きなもの、人柄など。生まれた場所も世代も違う10人。このユニットがいかに珍しく素敵な集まりかがわかった。

「水曜日のカデンツァ」の様子②

 10人の個性を思いつくまま、端的に表してみよう(完全主観です)。

 元放送作家、酒飲み、元お笑い芸人、酒飲み、お茶目、ゆるキャラ、セクシー、元新喜劇座員、肉体派、酒飲み、マネー、可愛げ、サブカル、酒飲み、イケメン、飄々(ひょうひょう)、サスペンダー、お笑い好き、癒し系、酒飲み、オシャレ、酒飲み、グルメ、酒飲み、酒飲み……。そう、ほぼ、酒飲みの団体なのだ(笑)。

「水曜日のカデンツァ」の様子③

 毎週回を重ね、今ではカフェコマドに移って約2年半が経とうとしている。親交ができ、継続していただいてるおかげで、私と繋がりのあるお笑い芸人さんとカデンツァメンバーの交流の会なども実現している。

 フリーのピン芸人の私が漂流してカフェコマドを活動の拠点としたように、たまたま落語会の会場として、漂流して来たメンバーと新しい何かを生み出し、それをお客様が新鮮に感じていただけることが何より嬉しい。