NEW

着物

「座布団の片隅から」 第8回

我慢の美学

・維持費がかかる

 着物を毎日着ているとシミや汚れが当然、出てくる。破れやほつれの補修やクリーニングにお金がかかる。ただし、洗い張りはしょっちゅうする必要はないと思う。私は化繊の着物中心で生活しているので、化繊なら洗濯機でジャブジャブ洗える。たまに着る正絹の着物は、季節ごとに丸洗いとシミ抜きに出している。

 普段の生活でシミがつかないようにするには、手ぬぐいを膝の上に敷く、ラーメンやうどんをなるべく避ける、泥酔した人の近くに寄らないといった対策を講じよう。泥酔した人が口から飛ばす食べカスは、シミの大敵である。特に中華は危ない!

・暑いし、寒い

 夏は暑いし、冬は寒い! 夏は風を通さないくせに、冬は袖からビュンビュン風が入ってくる。なんだこれ!! 日本の気候がおかしくなっているので、うまいこと調整する必要がある。私の場合は、夏なら浴衣や麻の着物を着て乗り切る。冬はコート、ヒートテック、ハンドウォーマー、レッグウォーマー、マフラーの完全防寒装備で耐え忍ぶしかない。それでもダメならホッカイロを貼ろう。着物は我慢だ!!

 着物生活は慣れるまでが大変だが、一度慣れてしまえばこんなに楽なことはない! 一緒に着物ライフをエンジョイしましょう! ……と書いている私の足は、プルプルと震え始めている。限界が近い。

 あぁ、このまま岩手へ到着してしまうのか。あの落語会の会場にある紫色の座布団が恋しい……。早くお客様の喜ぶ顔が見たいだとか、落語がしたいのではない。

 一秒でも早く座りたい!!! ――

三遊亭好二郎 公式Webサイト

2026年2月のピックアップ公演はこちら。ご予約をお待ちしております!

詳細はこちらチケットぴあ

(毎月7日頃、掲載予定)