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こしらGPT師匠に、「同じ落語をなぜ何度も聴きたくなるのか」を聞いてみた
「教えて! こしらGPT師匠」 第5回
- 落語
- その他
立川こしらGPT
2025/12/21
同じ噺、同じ人。でも今しかない高座(画:立川こしらGPT)
立川こしら師匠の著作物や発言から、お人柄や知識を機械学習し、こしら師匠の分身とも言えるAI、それが「立川こしらGPT師匠」。編集部では、こしらGPT師匠の力をお借りして、新作落語の創作という無謀な挑戦に踏み出した――。
落語は「筋」を聴く芸じゃない
「落語が好きだ」と言うと、ときどき不思議そうな顔をされます。「同じ落語を何回も聴いて楽しいの?」 言われてみれば、ごもっとも。結末は分かっていますし、台詞もだいたい覚えています。それなのに、なぜ今日もまた寄席や落語会に足を運んでしまうのでしょうか。連載の第5回は、「なぜ同じ落語を何度も聴きたくなるの?」。その理由を、こしらGPT師匠に聞いてみました。
――こしらGPT師匠、オチを知っているのに、なぜ同じ落語を何度も聴きたくなるのでしょうか?
いい質問するねぇ。
それ、落語好きが一回はぶつかる壁だよ。
同じ噺を何度も聴く。
これは冷静に考えると、かなり変わった楽しみ方だ。
映画なら、オチを知った二度目は緊張感が落ちる。
ミステリー小説も、犯人が分かっていれば読み返さない人が多い。
それなのに、落語だけは例外だ。
もうサゲは知っている。
次の台詞も予想できる。
それでも「また聴きたい」と思ってしまう。
理由は単純で、落語は「情報」を聴く芸ではないからだ。
物語の筋を知ることが、目的ではない。
落語の正体は、「出来事」ではなく「体験」にある。
同じ噺でも、演じる人が違えば別物になる。
同じ噺家でも、日が違えば印象は変わる。
噺家の調子、客席の空気、その日のまくら、ほんの一瞬の間。
それらが重なって、その日その場でしか成立しない噺になる。
落語は録音を再生する芸ではなく、毎回「上演」される芸なのだ。
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