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手紙 ~拝啓、四十八の君へ~

「噺家渡世の余生な噺」 第11回

ある有名な舞台女優が言っていた。

「動物園に犬や猫は観に行かないでしょう。
芸人も、普通じゃ観に来ないのよ。
多少の破天荒でなければならない」

その“破天荒”になるには……と、昼酒をしてみた時期があった。

だが酔う前に、
「こんなことをしている暇があったら……何か人様のために……」と、
罪悪感のほうが勝ってしまう。
結局、三日と続かなかった。

では、私の原動力は何なのだろう。

「何かお役に立てれば」という思いなのか。
それとも、役に立つ自分でありたいという優越感や虚栄心、
あるいは劣等感の裏返しなのか。

正直なところ、自分でも分からない。
ただひとつ言えるのは、そこに裏切りや無関心が重なったとき、
私は驚くほど怒るということだ。

そして後になって、己の未熟さに苦笑するのである。