NEW

VRエンタメの考察

古今亭佑輔とメタバースの世界 第8回

考察

 この様に『超かぐや姫!』が盛り上がったのには、様々な要因があると思う。色々なご意見があると思うので、これは個人的な主観である事をご容赦いただきたい。

 まずは物語の普遍性である。テーマが非常にわかりやすい。この物語は、少女たちの絆をテーマにしている。誰の心にも響く、王道のストーリーである。また、多少の考察の余地も残している所が優れていると考える。何にしても“観やすい”というのはエンタメとして大切な事である。

 そして映像・音楽が優れている。仮想空間ツクヨミを舞台にする事で非日常感を演出しつつ、見応えのある映像を提供してくれる。ゲームでの戦闘シーンやライブシーンなどは、迫力がある。音楽にも力を入れている事がわかるし、心を“高揚”させてくれる。

 更には、日本人のルーツである古典を物語の軸にしている所に“親近感”を覚える。日本人ならば誰もが知っている「竹取物語」。そこに新たな視点で切り込む事で、物語が再構築されている。もちろん後世に残るものではないだろうが、古典を扱う事に意味がある。

 日本人という人種としては、自国のルーツを良い意味で扱われる事に関して、けして悪い気はしないはずだ。これを機に、日本文化に興味を持つ人がいれば良いと考える。それと近い感覚でVRChatter(VRChatユーザー)にも同じ事が言える。仮想空間ツクヨミは、明らかにVRChatを意識して創られている。このアニメを観て、VRを始める人もいる事だろう。自分の好きな世界を肯定してくれるものは、やはり受け入れやすい。

 以上、観やすさ、高揚感、親近感という点から、このエンターテインメントは主にVRユーザーに受け入れられたと考える。エンタメとは、こうでなければならない。