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ミャクミャクに翻弄される日々

「ラルテの、てんてこ舞い」 第4回

ミャクミャクに翻弄される日々

過酷ながら、充実感に満ちた万博旅でした(画:石渡芙美)

ラルテ

執筆者

ラルテ

執筆者プロフィール

万博なんて興味ない…はずだった

 今年は暑い。とてつもなく暑かった。そんな中で多分、最高潮に暑かったであろうお盆の時期に大阪万博に行ってきた。

 きっかけは、テレビ局時代の後輩女子からの誘いであった。「姉さん、大阪に行く用事があるんだけど一緒に行かない? なんなら万博も行っちゃう?」

 いやいや、実は全然興味がないのだ。この暑い最中に、行列覚悟で行く人なんて奇特な人だ、くらいに思っていた。そんな自分がのこのこと大阪まで行くはずがない。と、その時までは思っていたのである。

 ところが思い出したのである。遡ること数日前、偶然にも「ぴあ」の東京本社で大阪万博担当の人間と再会してしまった。

 「どう? 万博? お客さんいっぱい来てるみたいじゃない」と声を掛けたところ「いや、お陰様で。でも東京の人はあんまり来ないんですよ。面白いですよ!いや、一度観てみたほうがいいですよ、イベントプロデューサーなんだから」と、笑いながら行ってしまった。

 そうなのだ。何を隠そう、イベント業界で長年ご飯を食べてきたにも関わらず、実は一度も「万博」とやらを体験したことがない。

 そのため、「あの時の花博みたいに……」とか「愛・地球博では……」と、以前の博覧会の話が出ると、行ったことがないことの恥ずかしさから、ついつい遠くを見てしまったり、話をそらしてしまったりする悪い癖がある。

 いやいや、もう逃げるのはやめよう! 真っ向から向き合おうじゃないか。いいでしょう! 行きましょう! 万博!

 「いいよ! 行こう万博」
 「オッケーです! じゃあまた連絡するね。姉さん」

 と、何でも仕事の早い彼女は、翌日にはホテルの予約済サイトと、飛行機のフライトスケジュールを送ってきた。何でもマイルが溜まっているので私は飛行機で行くね、ということらしい。まぁ、それは良いでしょう。けど、泊まり?

 さらに、そのメールには、その日の夜の半日チケットと翌日の一日チケットをとると書いてある。ええっ? ちょっと覗くって感じじゃないの? 半日と一日? えっ、そんなに? 本気か?

 かくして、大阪万博に臨むべき、私の覚悟は始まった。

万博参加国の国旗