「カケハシ」に行ってきた! ~名前にまつわる小さな冒険

「かけはしのしゅんのはなし」 第4回

「カケハシ」に行ってきた! ~名前にまつわる小さな冒険
春風亭 かけ橋

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春風亭 かけ橋

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秋の味覚は秋刀魚? それとも戻り鰹?

 9月です。編集部からテーマをいただいて書いているこのコラム。今月はテーマを沢山いただきました。例を挙げると、十五夜、秋祭り、彼岸花。秋を感じるテーマですね。

 さつまいも、かぼちゃ、秋茄子、秋刀魚。秋の味覚ですね。近ごろ、SNSに秋刀魚の塩焼きの写真をよく見かけます。「芸は人なり」という言葉がありますが、「SNSも人なり」と言えるんじゃないかと思います。それほど、発信には気をつけなくてはいけない世の中です。

 その中で「秋刀魚の塩焼きを食べた」という発信は、ちょうど良い塩梅(あんばい)だと思います。これが鰻だと、「いいもん食いやがって!」と思われてしまう可能性があります。同じ青魚でも、鯖の塩焼きは発信しようと思わないですね。鰯もしかりで。やはり、旬の食べ物ということが大事なんでしょうか。

 それなら、戻り鰹はどうでしょう? 薬味と一緒に写っている鰹のお刺身。……少し鼻につくかな。勝手な妄想ですけれども。やっぱり秋刀魚は、ビジュアル的にも食べたという感じがしますし、『目黒の秋刀魚』にかけて落語と近いところから、何となく親近感があるのかな。

 そうなると鰹は、戻り鰹より初鰹の方が『髪結新三(かみゆいしんざ)』を筆頭に、演芸に近いから発信しやすいのではないでしょうか。