上方落語を聴く旅 ~服部の大阪旅行記

月刊「シン・道楽亭コラム」 第6回

上方落語を聴く旅 ~服部の大阪旅行記

3泊4日で計8公演、メッチャ楽しかった落語旅をご紹介(画:とつかりょうこ)

シン・道楽亭

執筆者

シン・道楽亭

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はじめに

 皆様、ごぶさたしております。シン・道楽亭の共同席亭、服部です。

 いきなりですが、私の落語のルーツは上方なので、“年に数回、上方落語を聴かないと泣いちゃう病”に罹患しております。そのため、2022年7月を1回目として、今年(2025年)8月、通算6回目の大阪落語旅をしてきました。話楽生Webさんの連載は、東京の落語家さんが多く、上方落語の良さも伝えられたらよいなと思っておりましたので、今回はそんな落語旅のお話をさせていただきます。

 私の落語旅の大原則は、次の通りです。「推しがいるから遠征する」のとは、少し異なります。

・3泊4日、「ジパング倶楽部」の3割引が有効な期間で、自分の休みが合う日程を選択する
・大阪在住の友人が送ってくれる落語会情報の日程内で行きたい会をセレクトし、事前予約する
・空いた時間は、動楽亭や天満天神繁昌亭、神戸喜楽館で埋める

 宿は、動楽亭の近所で、大阪メトロ御堂筋線・動物園前駅、およびJR環状線・天王寺駅至近の会員になっている常宿があります。1泊5,000円未満、旅費、宿泊費、木戸銭、食費を含めて70,000円を越えないマイ不文律の安旅です。

 それでは、服部の大阪旅行記の始まりです。

8月5日(火)

 まずは開口一番、刈り込んだ『手水回し』で、桂天吾さんが座を温めます。
 この日の私のお目当ては、桂吉弥師匠と桂塩鯛師匠。とりわけ吉弥師匠の『軽業』、こちらは上方噺家がよく演じる(東京で言えば、『道灌』『寿限無』的な)『東の旅』のうちの半ばに位置する噺ですが、扇子を用いての軽業表現など堪能しました。

動楽亭

 百年長屋は、JR環状線・玉造駅から5分ほどのところにある、大正3年築の趣ある建物です。月亭遊方師匠の自主会がこの日、行われました。
 遊方師匠は、月亭八方師匠(桂文珍師匠も在籍したユニットのザ・パンダがわかる方は同世代)の弟子で、爆発力抜群、怪談噺は絶対やらない師匠です(怖いんですって)。
 この日のゲストは、笑福亭松喬師匠で、今回のテーマである泥棒噺に合わせて、NHKの『日本の話芸』でも放映された十八番の『子盗人』。堪能しました。

百年長屋

百年長屋