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百花繚乱! 10人組の落語家ユニット「芸協カデンツァ」がやって来た【前編】

「ピン芸人・服部拓也のエンタメを抱きしめて」 第7回

10人のオジサンが織りなす新喜劇

 芸協カデンツァで印象的な出来事を1つ。

 年に2回、大きな会場でスペシャル会をされているということで、去年初めて観に行った。「芸協カデンツァ新喜劇」という、それぞれが高座を務めた後に、メンバーに客演を交えて新喜劇を披露するという画期的な会。

 10人組の落語家ユニットが団体芸の新喜劇を行う。もう何がなんだかわからないのだ!

  その新しい試みは、演芸界史上初めての企画。ただでさえ10人集まって稽古するのも大変で、当時、本番までの稽古の進捗を聞いていたのだが、「本番まで10人で揃っていない」など、不穏な話を聞いていた(笑)。カフェコマドからは、衣装と小道具の提供もさせていただいた。

昨年の「芸協カデンツァ新喜劇」の様子

 色んな感情を持ちつつ、とても楽しみにして、2024年6月1日、内幸町ホールに向かった。「水曜日のカデンツァ」によく来ていただいている方や、配信のお客様が私の緑髪を見かけて声をかけてくれた。

 メインの新喜劇に向け、持ち時間をちゃんと守ろうとタイムアタックのように進んだそれぞれの高座も魅力的だった。

 そして「THE 新喜劇」のテーマと共に幕が上がる。普段は座布団の上で表現をする落語家10人が連携を取り、ボケて、ツッコんで、動き回って、笑いを取り、お客さんを高揚させた。ラストには米助師匠もサプライズで登場し、炊き立てのご飯の如く、熱気が凄かった。

 演芸界史上初めての企画は大成功。とんでもない盛り上がりだった!

 私は、この演芸界に何か大きなものが生まれた瞬間に立ち会えた感覚と、1年近く毎月会っていたオジサンたちが1つになってゴールに向かっていくその姿に感動した。どこか「子供の運動会を見守る親の気持ちってこんな感じなのかなあぁ」と、ほぼ酒飲みのオジサン集団を見つめ、感慨深くなった。

 2019年から始めたユニット。後日、2024年の新喜劇を経て、SNSなどで反応を確認した。印象的だったのは、「やっとカデンツァが1つになった」という反応。そう、新喜劇を経て、バラバラだった芸協カデンツァは1つになったのだ。

 そんな「カデンツァ新喜劇」が、浅草演芸ホールで12/6~12/10に開催されます(12月上席後半 昼の部)。落語もお笑いも詳しくない方もきっと楽しめる、新しいエンタメを体感できます。

「カデンツァ新喜劇」公演スケジュール

 さらに、このコラムをキッカケに、ぜひ一度、芸協カデンツァの定例落語会「水曜日のカデンツァ」を観に来てください。配信からもアットホームかつ多種多様の少し変な個性を感じられます。

 酒飲みの集まりでも、人はいつからでも1つになれる――。

「水曜日のカデンツァ」は毎週水曜日、夜19時30分から東新宿カフェコマドで開催。予約なしの寄席形式で、木戸銭は1000円。配信もあります

服部拓也 公式サイト

東新宿カフェコマド イベント情報

(毎月20日頃、掲載予定)

カフェコマドPresents

コマド寄席ビヨンド

日時:
2025年11月21日(金)
開場 18時45分 開演 19時15分
(終演予定 21時15分)

出演者(50音順):
荒ぶる神々 
いかすぜジョナサン
元祖いちごちゃん
昨日のカレーを温めて
キュウ
孝行球児
新道竜巳(馬鹿よ貴方は)
太陽の小町
天馬チャプー
にほんしゅ
橋本ピー助
服部拓也
マザー・テラサワ
マッハスピード豪速球

ゲスト:
虹の黄昏
ベルナルド

MC:
サンキュータツオ(米粒写経)

料金:
前売り 3,000円 当日 3,500円

詳細:
https://tiget.net/events/430431

会場:
牛込箪笥区民ホール(新宿区箪笥町15番地)
都営地下鉄大江戸線/牛込神楽坂駅【A1出口すぐ】

アクセス:
https://shinjuku.hall-info.jp/tansu/access.html