師匠と香港楼と命名秘話

シリーズ「思い出の味」 第16回

心も新たに

 今も「香港楼」の前はちょくちょく通ります。通る度にその時の場面が甦ります。以来、今のところお店に入ったことはありませんが、いつか近い将来、晴れて真打になった暁には、ぜひ打ち上げで師匠と共に再び訪れ、この思い出の味を今度こそ心行くまで味わうことができましたら、感無量でございます。

 そのためには、まずは「紅純」の名が末代まで残るような立派な講釈師に成るべく一意専心精進しようと、原稿を書きながら心新たにした夜であります。

(了)