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六合目 ~岐阜漫遊記 〈壱〉

「伯知の日本酒漫遊記 ~酒は“釈”薬の長」

酒で再現する「決戦 関ヶ原」の妙

 ならば、大垣城は絶対にいかねばなるまい、と足を踏み入れた。

 関ヶ原へ至るまでの西軍、石田三成についての展示が充実しているのだが、視点が変わっている。

 「関ヶ原の戦いで、石田三成はどうすればよかったのか」的な視点で語られるパネルが多いのである。

 石田三成の行動や性格の反省点なども記されており、「うちの地元の英雄は、こんな人!」的な展示が各地方で多い中、なかなか珍しい流れの展示。岐阜駅のキンキラの信長とは対照的である。

 それだけ、西軍方の地元の人たちにとっては思うところがあるんだろうなとシミジミ感じつつ、自分の「関ヶ原軍記」の台本も、頑固な三成の部分を少し修正しとこう……と思ったりしたのだった。

 大垣城をあとにして、次に向かったのは城からもほど近い、三輪酒造さんである。

三輪酒造

https://miwashuzo.co.jp/

 三輪酒造さんのお酒でいうと、一番良く目にするのは、純米にごり酒の白川郷かもしれない。白川郷というから、飛騨のほうの酒蔵の酒かと思っていたが、大垣の酒だったと私も最近知った。

 かつて、白川村のどぶろく祭り用に依頼されて昭和51年から造ったのが始まりとのこと。

 この白川郷が飲みたいのは勿論なのだが、この三輪酒造さんには気になる新しい銘柄のシリーズがある。そう、「決戦関ヶ原」シリーズである。

 東軍と西軍に分かれ、米と酵母の産地が異なる酒が飲み比べられる、天下分け目の酒米対決と銘打った、歴史好きにも堪らないお酒。

 ぜひとも飲み比べてみたいと、さっそく蔵の店員さんに、

 「あの……試飲ってできます?」
 「はい、できますよ! どれにしましょうか」
 「決戦関ヶ原を飲み比べしたくて……とりあえず東軍と西軍を……」
 「東軍も西軍もそれぞれ種類あるんですよー。火入れの『本陣』と、生酒の『初陣』、発泡の『鉄砲隊』がありまして」

 発泡酒の名が決戦 関ケ原 鉄泡隊奇襲で、思わず笑ってしまった。歴史ネタ名付け抜群である。