六合目 ~岐阜漫遊記 〈壱〉
「伯知の日本酒漫遊記 ~酒は“釈”薬の長」
- 講談
松林 伯知
2026/03/21
西軍の本拠地・大垣城を訪ねる
岐阜駅から養老鉄道に乗って大垣へ。
ちょうど養老鉄道がサンリオのシナモンとコラボをしており、駅や一部列車もシナモン仕様。寄席のシナモン好きといえば桂夏丸師匠だな……と思い、写真を送ろうとさっそくパシャパシャ撮影していた。

しかし、普段から養老鉄道を使っている地元の人はもう見慣れた景色らしく、あちらこちらでシナモンを撮影する私のほうを見て、
「あ~ら、やっぱり好きな人が乗りに来るのねえ」と座席のマダムたちがほのぼのと会話をしている。
うっかり熱心なシナモンファンと勘違いされてしまったようだ。『違うんです! 私は実は、ポチャッコファンなんです!』と心の中で叫びつつ、目を伏せながら写真を撮ったという。


シナモン同様、トムとジェリーを見かけたらトムジェリ好きの神田愛山先生に報告など、講談師はどうもキャラクターものの発見・報告癖があるような気がする。
大垣駅に来た理由は二つ。城と、酒である。
駅からしばらく歩いて到着したのは、大垣城。関ヶ原の戦いでは、石田三成が西軍の本拠地とした城である。
私は茨城県水戸の出身、徳川御三家水戸藩のお膝元から来たわけなのだが、何を隠そう……、「関ヶ原の戦い」に関しては、西軍びいきなのである!
これも大いにゲームからの影響を受けており、『戦国無双2』『采配のゆくえ』、このゲームの西軍の軍師・島左近が大好きで……学生の頃は「島左近が好きなんです」と言うと、周りや先生たちから一様に「えっなんで? 石田三成じゃなくて? 島左近のほう?」と不思議な顔をされたりした。
この連載の宮城編でも少し述べたが、どうも戦国武将に関しては、伊達政宗より片倉小十郎、石田三成より島左近、と忠義のナンバー2軍師が小さい頃から好きな癖があるのである。

此方は三成、島左近がすすめましたる計略、尤もとは思いましたが万一を危みまして、心が決定(きま)りません。寝所へ入ってつくつくと思案を致しましたが、いかにも左近の言(ことば)もっともであると、漸々心にさとりました所から急ぎ左近をまねきました。
三成「これ左近、我れよくよく思案をいたするに、その方が謀計、實に最もである」~(略)~
島左近は天を仰でカンラカラカラと打笑ひました。
松月堂ろ山『石田三成佐和山物語』
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