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一粒の麦 ~世界に広がれ、落語の輪 in 名古屋!
月刊「シン・道楽亭コラム」 第12回
- 落語
- その他
シン・道楽亭
2026/04/10
「一粒の麦」に託す、これからの歩み
こうして見ていくと、皆さんに共通しているのは、自らの「目と耳と感性」を頼りに演者を見出し、支えている点です。東京や大阪へ足を運ぶ行動力はもちろんのこと、日常的にアンテナを張り巡らせ、時には一本の連絡から新たな縁を築いていく。その積み重ねが、やがて人の輪となり、場となり、文化として根付いていくのです。
落語会というものは、ほかの芸能以上に、こうした個人と個人の結びつきから始まるものです。落語研究家の山本進さん(2022年没)が自著の中で『落語の世話人は草の根運動だ』ということを最初に指摘されましたが、現代においても、まさに変わらぬ草の根の営み。その小さな結びつきが連鎖し、広がり、やがて大きな流れを生み出していく。その過程そのものに、落語という芸の魅力と、それを愛する人々の温かさが凝縮されていると感じます。
さらに印象的だったのは、今回お会いした方々の多くが、落語との出会いとして同じ師匠の名前を挙げられたことでした。それは、立川談志師匠。名古屋という土地でかつて談志師匠の影響を受けた方々の思いが、令和の今にまで続いていることを実感しました。
久しぶりに訪れた故郷で、こうした人々と再び、あるいは新たに出会えたこと。それは単なる再訪以上の意味を持つ時間でした。「一粒の麦もし死なずば」(アンドレ・ジッド)――その言葉を胸に、私もまた、自分なりの歩みを続けていきたいと思います。
共同席亭 服部晶代

▼シン・道楽亭|新宿二丁目のミニミニ演芸場
▼シン・道楽亭 X
(毎月10日頃、配信予定)
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