NEW
優雅な航海中の後悔を公開
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第9回
- 落語
桂 三四郎
2026/04/13
選ばれし噺家
ただし、この最高の福利厚生を誇る豪華客船の仕事にも
1つだけ禁止事項がある。
それは「決して、船内のお客様と親しくなってはいけない」というものだ。
最初に聞いた時は、アイドルのような「恋愛禁止」ルールが噺家にも適用されるのかと思いきや、そうではなく
特定のお客様と仲良くすると、仲良くなれなかったお客様から必ずクレームが来るんだそうだ。
「なんなの、あの落語家! なんであっちにばっかり愛想を振りまいて、このテーブルに来ないの? 私たちはスペシャルスイートなのよ!!」
「きっとあの客、ご祝儀を包んだに違いないわ!! だって落語家って、ご祝儀に弱いのよ!! ご祝儀さえ包めば、船から海に飛び込んで、泳いで韓国まで行くらしいわよ!!」
「きいー!! こんなことなら現金を持ってくれば良かったわ!! キャッシュレス時代が憎いわぁー!!!!」
こんなことがあったかどうかは、わからないけど
大手はクレームを何より嫌うので、一度でもクレームがつくと二度と呼んでもらえないそうだ。
お客様と同席してクレームがあって、とある落語家が出禁になったことは間違いない。
だから呼ばれる落語家は品行方正、規律遵守が求められ、その上でお客様を満足させる芸がないといけない。
選ばれし落語家のみが与えられる、最高の福利厚生仕事なのだ!!!
テンションが変になる船の旅!?
ただ、この環境はゆったりするには最高だが、落語家には少し贅沢すぎたようだ。
乗船前は
「朝起きてジムに行き、エッセイを書き、ネタを覚え、稽古をして、SNSに投稿、たまった事務仕事を片付けて、本を2冊読もう」
そう決めていた。
現実は、ジムには一度も行くことなく、ネタも覚えず、稽古もせず、事務仕事もほったらかして、本は一文字も読むことなく、酒を飲んで、ダラダラしているだけで終わった。
大体、ゆったりと過ごすための場所なのだ。
新幹線なら神戸から2時間程度で行ける関門海峡まで、1泊2日で行く旅だ。
ストイックとは、ほど遠い環境だ。
環境に適応する能力の高い僕は、見事にこの環境に適応し
ダラダラしすぎて朝食の時間に起きられず、ルームサービスで海苔弁を頼んでベッドに寝転がりながら食べ、完食した後、そのまま昼食まで寝た日もあった。
サウナが有料だったことだけが、唯一の救いだろう。
サウナが無料だったら、一日中蒸されて寝て、蒸されて寝るという
再利用され続ける小籠包のような生活をするに違いない。
普段、そんなにお酒を好んで飲むほうではないが
なぜか船上では、お酒を飲みたくなることがわかった。
船の旅は初めてではないが、海の上にいる緊張感なのか、変なテンションになることが多い。

いま読まれています!
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第9回
優雅な航海中の後悔を公開
~“憧れの仕事”から繋がる伏線が鮮やかな船旅エッセイ!!!
桂 三四郎
2026/04/13
「令和らくご改造計画」
第九話 「地獄のモーニングコール」
~落語家は寝すぎ? 働かなすぎ? 前座が仕掛ける“狂気の作戦”とは!?
三遊亭 ごはんつぶ
2026/04/12
「講談最前線」 第17回
2026年4月の最前線 【後編】 (聴講記:津の守講談会/講談『太閤記』小考①)
~講談はいつも面白く、そして新しい
瀧口 雅仁
2026/04/12
月刊「シン・道楽亭コラム」 第12回
一粒の麦 ~世界に広がれ、落語の輪 in 名古屋!
~名古屋の演芸文化を支える多彩な人たちの静かな情熱とリアルな声を追ったコラム
シン・道楽亭
2026/04/10
「講談最前線」 第16回
2026年4月の最前線 【前編】 (講談協会が一般社団法人として始動へ)
~講談はいつも面白く、そして新しい
瀧口 雅仁
2026/04/11
「令和らくご改造計画」
第八話 「酔っ払いにSNSを」
~芸人のSNSは、なぜ自由すぎるのか?
三遊亭 ごはんつぶ
2026/03/12
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第7回
世間せまないか?
~落語家を多数輩出する片田舎、神戸の垂水
桂 三四郎
2026/02/01
「令和らくご改造計画」
第一話 「危機感をあなたに」
~笑撃のストーリーが今、始まる!
三遊亭 ごはんつぶ
2025/08/12
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第5回
落語家の夢
~俺の目は、まだ濁っていない!!!
桂 三四郎
2025/11/27
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第8回
微笑みながら中指を
~笑えて震える、ご近所交流録! マトリックスばあさん、降臨!!
桂 三四郎
2026/02/25
「令和らくご改造計画」
第九話 「地獄のモーニングコール」
~落語家は寝すぎ? 働かなすぎ? 前座が仕掛ける“狂気の作戦”とは!?
三遊亭 ごはんつぶ
2026/04/12
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第9回
優雅な航海中の後悔を公開
~“憧れの仕事”から繋がる伏線が鮮やかな船旅エッセイ!!!
桂 三四郎
2026/04/13
「座布団の片隅から」 第12回
地獄
~春風亭㐂いち兄さん、柳家小はだ兄さん、三遊亭歌彦さんと僕でスキーに行ってきたのだが…
三遊亭 好二郎
2026/04/07
月刊「シン・道楽亭コラム」 第12回
一粒の麦 ~世界に広がれ、落語の輪 in 名古屋!
~名古屋の演芸文化を支える多彩な人たちの静かな情熱とリアルな声を追ったコラム
シン・道楽亭
2026/04/10
「講談最前線」 第16回
2026年4月の最前線 【前編】 (講談協会が一般社団法人として始動へ)
~講談はいつも面白く、そして新しい
瀧口 雅仁
2026/04/11
「講談最前線」 第17回
2026年4月の最前線 【後編】 (聴講記:津の守講談会/講談『太閤記』小考①)
~講談はいつも面白く、そして新しい
瀧口 雅仁
2026/04/12
月刊「浪曲つれづれ」 第12回
2026年4月のつれづれ(町田康の木馬亭公演、雲月会長の留任と舞台復帰、浪曲「陰陽師」の新展開)
~芥川賞作家、木馬亭に降臨! いま、浪曲は外界に向けて開き始めている
杉江 松恋
2026/04/09
「朝橘目線」 第12回
このあたり 目に見ゆるものは 皆換金
~あらゆるものがデジタル化される日常を落語的な視点で軽やかに描くエッセイ
三遊亭 朝橘
2026/04/08
「令和らくご改造計画」
第八話 「酔っ払いにSNSを」
~芸人のSNSは、なぜ自由すぎるのか?
三遊亭 ごはんつぶ
2026/03/12
「宇宙まで届け! 圧倒的お転婆日記」 第12回
お転婆が過ぎると命を落とすこともある
~転んでも前に進む浪曲師の軽やかで楽しい芸人日記!
東家 千春
2026/04/03
「浪曲案内 連続読み」 第10回
新釈浪曲忠臣蔵 ~202X年赤穂の旅
~忠臣蔵は難しい? そんな先入観を覆す浪曲コラム
東家 一太郎
2026/03/24
「令和らくご改造計画」
第九話 「地獄のモーニングコール」
~落語家は寝すぎ? 働かなすぎ? 前座が仕掛ける“狂気の作戦”とは!?
三遊亭 ごはんつぶ
2026/04/12
「芸人本書く派列伝 オルタナティブ」 第11回
〈書評〉 サライ 2026年4月号 (大特集:落語 講談 浪曲 サライの「演芸」 令和の名人)
~人間国宝の鼎談から若手の最前線まで網羅した豪華特集。読むほどに、もっと聴きたくなる!
杉江 松恋
2026/03/19
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第9回
優雅な航海中の後悔を公開
~“憧れの仕事”から繋がる伏線が鮮やかな船旅エッセイ!!!
桂 三四郎
2026/04/13
「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第31回
映像思考で編む、新世代講談 田辺一記(前編)
~魅力と素顔に迫るインタビュー
瀧口 雅仁
2026/03/28
「ピン芸人・服部拓也のエンタメを抱きしめて」 第10回
同郷熊本の小学校の先輩! 三遊亭ふう丈 改メ 二代目円丈師匠真打昇進襲名披露パーティー
服部 拓也
2026/03/22
「宇宙まで届け! 圧倒的お転婆日記」 第12回
お転婆が過ぎると命を落とすこともある
~転んでも前に進む浪曲師の軽やかで楽しい芸人日記!
東家 千春
2026/04/03
「座布団の片隅から」 第12回
地獄
~春風亭㐂いち兄さん、柳家小はだ兄さん、三遊亭歌彦さんと僕でスキーに行ってきたのだが…
三遊亭 好二郎
2026/04/07
「エッセイ的な何か」 第10回
3月8日は、餃子の日 →無茶苦茶、食う男の偉業
~柳亭痴楽師匠と名古屋『百老亭』の思い出
三笑亭 夢丸
2026/03/23
「かけはしのしゅんのはなし」 第10回
3月5日は、スリランカカレーの日
~知らないなら食べに行けばいい。その一歩が世界を広げる!
春風亭 かけ橋
2026/03/18
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第5回
落語家の夢
~俺の目は、まだ濁っていない!!!
桂 三四郎
2025/11/27
「艶やかな不安の光沢」 第1回
謂れなきものたちの飛躍
~年始からとちってしまった芸人の胸のうち
林家 彦三
2026/02/12
「令和らくご改造計画」
第六話 「若手人気落語家殺人事件 【事件編】」
~古典派と新作派の溝!?
三遊亭 ごはんつぶ
2026/01/12
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第6回
運と皆様のおかげです
~人間は弱い生き物です
桂 三四郎
2026/01/01
「令和らくご改造計画」
第四話 「初心者よ永遠なれ」
~AIが落語を演じる時、それでも人は笑えるのか?
三遊亭 ごはんつぶ
2025/11/12
シリーズ「思い出の味」 第19回
雪のココア
~内弟子時代に憧れた甘い味
柳家 わさび
2026/01/13
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第8回
微笑みながら中指を
~笑えて震える、ご近所交流録! マトリックスばあさん、降臨!!
桂 三四郎
2026/02/25
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第7回
世間せまないか?
~落語家を多数輩出する片田舎、神戸の垂水
桂 三四郎
2026/02/01
「令和らくご改造計画」
第五話 「ヨセジャック事件」
~落語家にとってのマクラとは何か?
三遊亭 ごはんつぶ
2025/12/12
シリーズ「思い出の味」 第15回
水茄子とジンジャーエール
~夏の青臭さ、生姜風味の泡沫が映す情景
林家 彦三
2025/11/25
編集部のオススメ
「浪曲案内 連続読み」 第10回
新釈浪曲忠臣蔵 ~202X年赤穂の旅
~忠臣蔵は難しい? そんな先入観を覆す浪曲コラム
東家 一太郎
2026/03/24
「芸人本書く派列伝 オルタナティブ」 第11回
〈書評〉 サライ 2026年4月号 (大特集:落語 講談 浪曲 サライの「演芸」 令和の名人)
~人間国宝の鼎談から若手の最前線まで網羅した豪華特集。読むほどに、もっと聴きたくなる!
杉江 松恋
2026/03/19
「噺家渡世の余生な噺」 第11回
手紙 ~拝啓、四十八の君へ~
~来てくださった人の顔を忘れるな。 自分のために頭を下げてくださった人の姿を忘れるな
柳家 小志ん
2026/03/14
「令和らくご改造計画」
第八話 「酔っ払いにSNSを」
~芸人のSNSは、なぜ自由すぎるのか?
三遊亭 ごはんつぶ
2026/03/12
「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第27回
古今東西を自在に読む講釈師 松林伯知(前編)
~魅力と素顔に迫るインタビュー
瀧口 雅仁
2026/03/12
月刊「シン・道楽亭コラム」 第11回
シン・道楽亭Webサイトリニューアル! ほぼほぼAIで作ってみた話
~どんな思いで運営しているのか、どんな場所として受け入れられたいのかをお伝えしたい
シン・道楽亭
2026/03/10
月刊「浪曲つれづれ」 第11回
2026年3月のつれづれ(玉川太福の受賞、玉川奈々福の徹底天保水滸伝、『深夜食堂』&『陰陽師』の浪曲化)
~スターの活躍と新しい挑戦が交差する、いまの浪曲界をご紹介
杉江 松恋
2026/03/09
「二藍の文箱」 第10回
かたばみ日記 ~初主任の十日間
~高座と人生が交差する、濃密で温かい日々の舞台裏
三遊亭 司
2026/03/02
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第8回
微笑みながら中指を
~笑えて震える、ご近所交流録! マトリックスばあさん、降臨!!
桂 三四郎
2026/02/25
掲載記事300本記念
〈掲載記事300本記念〉 柳家さん喬師匠 スペシャルインタビュー【前編】
~小さん師匠の「おめでとう」から始まる新しい年
話楽生Web 編集部
2026/01/25