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優雅な航海中の後悔を公開

「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第9回

お元気でしょうか

そりゃあ、高校生相手に喋りで一歩も引けないはずだ!!

そして普通のおじさんとは違う、妙な雰囲気を醸し出していたのも納得がいく。

「もし落語家になりてえってんなら、面倒見てやるよ」

僕が初めて対峙した落語家がまさか、このおじさんだったとは!!

おじさんとサヨナラした後、仲間たちに

「なんやねん、お前」
「あんな、変なおっさんに絡むなや」
「ほんで落語家やいうてたな」
「お前、落語家になるんか?」

と聞かれて、その時僕は即座に

「誰が落語家になんか、なるかえ!!」

と返したのは、今でもはっきりと覚えている。

まさかそれから25年の月日が経ち

落語家としてこのエッセイを書いているとは、僕もおじさんもあの時は思いもよらなかっただろう。

もちろんそんな名刺が残っているわけもなく

名刺に書いてあった名前も全く記憶にない。

そして芸歴21年が経った今でも、フェリーで高校生と議論した師匠のエピソードは聞いたことがない。

あの時のおじさん、お元気でいらっしゃいますか?

25年前で、当時50歳前後と考えて、今なら70代の大師匠。

「誰が落語家になんか、なるかえ!!」

と吐き捨てた僕は、4年後に落語家になり、東京に移り住み、今は落語芸術協会にお世話になっております。

おじさんは芸協ですか? 落協ですか? それとも圓楽党か立川流?

いつかお会いできたら、あの時の非礼をお詫びさせてください。

そして大好きな寄席について話したいです。

寄席の話になったら、きっとおじさんはこう言うと思います。

「寄席ってのはよ~、みんなで後の出番に繋げて、トリに最高の状態を作って渡すチームプレーなんだよな~」

その時、僕はこう言います。

「落語家は個人競技だから、チームプレー関係ねえだろうがヨォおぉおおぉ!!!!!!!!!!」

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