NEW

愛のおはなみ

「マクラになるかも知れない話」 第九回

五月の陽だまり、のんびり花見

 今回のテーマは「お花見」。

 これは在原業平(ありわらのなりひら)の歌。この世の中に桜がなかったらこんなに春にそわそわしないのになー……みたいなことだそうだ。もう咲いたか、いつまで持つか、雨やら風が散らしやしないか。

 この時期の人々は、桜のことを考えて落ち着かない。

 親愛なる読者諸兄も、この春のそわそわを味わっただろうか。そして今年の春は、お花見に行っただろうか。

 当エッセイの掲載は、基本的に月末だ。今年は4月の頭から気温が高く、また風の強い日が続いたためお花見チャンスは少なかったのではないだろうか。本文を書いている4月15日現在で、桜の木はもう青々としている。

 今年は行けなかったなあ……という、そこのあなた。まだ大丈夫! 八重桜(やえざくら)なら、ゴールデンウィーク頃まで咲いているので、まだいけるよ!

 上野の公園も、桜の名所であるお山の方はソメイヨシノだけれども、お池の方に行くと八重桜が植わっている。これは忙しくてお花見シーズンに上野に行けなかった人のためにあるのだと勝手に思っている。なんかモコモコしてて粋ではないかも知れないけども、花に貴賤もないもんで。

 そもそもソメイヨシノの花期はまだ屋外で飲み食いするには寒すぎるのではないかと思うので、5月の暖かい中の花見をぜひ試してみてほしい。シーズンではないので大騒ぎはできないが、その分、静かにぼんやり花見ができる。

 ソメイヨシノでなければ花見ではないと言うことはない。昔は山桜(やまざくら)が花見の主流だったそうだし、河津桜(かわづざくら)で早めに楽しんでも良い。山桜は、浅草の方の川っぺりにちょこちょこある。河津桜は、確か新宿御苑がそうだったように記憶している。

 いずれにも間に合わなかったあなたの最後の頼み、八重桜。良いですよ~。

 さらに言うと、この上野のお池のまわりは八重桜が散っても、立葵(たちあおい)、紫陽花(あじさい)、蓮(はす)と夏までずっと楽しめる。公園管理の方に拍手。