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はにかんで道中記
東家一太郎の「浪曲案内 連続読み」 第3回
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浪曲が呼び覚ます、変わらぬ人の心
札幌2日目は、旧屯田兵村(ここも大岡助右衛門が手がけました)の近くの発寒川沿いにある公民館と豊平区の覚英寺の広間での浪曲会。それぞれの会にいらしてくださったお客様Aさん、BさんがFacebookにご感想を書いてくださり、とても嬉しく、かつ、わかりやすかったのでここに転載させていただきます。
■Aさんのご感想
69年の人生で初の生浪曲(浪花節)を聴きに行った。
(中略)
浪曲はテレビ、ラジオで聴いたことはあるが、生の口演は初めてだった。
(中略)
鍛えられたプロの声はさすがだ。
驚いたのは、三味線の音が予想外に大きく響き、ビンビンと身体に伝わって来ることだ。テレビ、ラジオでは、”後ろや横から控え目に聞こえる三味線”なのだが、生浪曲では、浪曲師の声と対等だと思えた。
声より出しゃばることはけっして無いが、時に強く激しく、時に控え目に、そして場面転換ではピシッと一発チェンジ。盛り上がる名調子では、声との掛け合い相乗効果で! セッションだね。
生の津軽三味線は至近距離で何度か聴いたことがある。浪曲の”脇役的伴奏’”だと思っていた曲師の三味線が意外にも主役なことに驚いた。
(中略)
浪曲師 東家一太郎さんは、顔から身体から汗を噴き出しながらの熱演だった。 話芸の生口演で、演者の汗が飛び散るのを間近に見たのは、絶頂期の桂枝雀落語会以来だ。
■Bさんのご感想
浪曲は子供の頃ラジオの時代(未だテレビは我が家には無かった)
だったので、親が良く浪曲を聞いていました。
今回は生の浪曲を聞く機会を持てました。
東家一太郎さんの浪曲を聞いて涙しました。
(中略)
命を懸けて埋葬に動いたのが「柳川熊吉」
そのくだりを熱演!迫力!!
勿論一太郎さんは身体から、顔から汗を拭き拭き!
その迫力たるや、自然にのめり込み、一番前の人は涙をボロボロ流してました。
(これこそ浪花節だな~)
是非来年も来て頂きたいと思いました。
一太郎のプロフィールに「夢は日本全国のお客様お一人おひとりに、浪曲の感動を直にお届けすること」と書いてあるのですが、ご年齢に関係なく人生初の“生浪曲”の人がほぼ100%という浪曲ゼロレベル時代に入りました!
しかし、時代が変わっても変わらない心を浪曲師の節と啖呵、曲師の三味線、二人で表現する浪曲は素晴らしい芸能だなと改めて思いました。