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ネットワークとご縁

「古今亭佑輔とメタバースの世界」 第2回

沢山の人に支えられている自分

 そして、落語会当日。

 開場すると、バラバラと人が入ってくる。10分経つ頃には、定員の80人になっていた。客層は20~40代、落語に馴染みのない人たちにも楽しんでもらえるように、しっかりと小噺や解説をしながら進めていった。

 有難いことに、会場からは沢山の笑い声が。リアルタイムで観てくれているので、ほとんどタイムラグなく笑いが返ってくる。空気感は、寄席とまったく変わらない。落語の笑いを若い人にも共感してもらえることが嬉しかった。

 そこから噂が広まり、客席が埋まる時間が段々と短くなり、今では1分と経たずに埋まる人気イベントとして認知されている。その過程でスタッフも増え、現在では5名のスタッフが在籍している。うち2人は、落語好きの学生である。

 VRC落語会をきっかけに「寄席に通うようになった」という声も沢山聞いている。今年6月に行った芸名公表をきっかけに自分の落語会に来てくれる若い人も少しずつ増えている。

VR落語を支えてくれる仲間たち

 改めて、一人でできることはほとんどないと実感している。落語会に来てくれるお客様も含めて沢山の人によって自分は生かされている。だからこれからも、ご縁によって波がどこからかやってきた時は迷わず乗ってみよう。

 上手くいかないこともきっとあるけれど、それ以上に素晴らしい世界に出会えるかもしれない。

(毎月5日頃、公開予定)