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講談への情熱は今も変わらず 一龍斎貞寿(後編)

「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」第10回

講談師としての原点と憧れ

貞寿 (小金井)芦州先生ですね。

貞寿 初めて生で見た講談師は貞水先生で、貞水先生は私にとって別格の大ファンであるのは間違いないんですが、ありがたいことに、私は一龍斎ということで、晩年まで先生のそばで勉強させていただく機会がありました。

 ところが、同じファンでも、芦州先生は私の中に1ミリもないんです。お会いしたこともなければ、その感性も私が持っていないものの塊。ないものねだりをしても、できないものはできない。だから、もし叶うならば、お会いして、色々と教えていただきたい。

 あとは五代目(貞丈)に会いたい。とにかく読み方が美しい。独特の間、体言止めを多用される調子は本当に耳に心地よく、自然に講談の世界に連れて行ってくれるんです。その五代・貞丈先生の口調に一番似ているのは、うちの師匠だと思います。私が入門を決める時に、師匠しか考えられなかったというのは、今思い返しても大正解でした。

講談協会×日本講談協会、「泉岳寺講談会」の舞台裏

貞寿 企画立案や出演者交渉など、会の運営全般を担当しているんですが、まとまらないこともあって大変です。でも(宝井)琴調会長と(神田)紅先生が全面的にバックアップしてくださるので、(松林)伯知さんと二人で何とか頑張っています。中央義士会さんが協力してくださったり、スポンサーを名乗り出てくださる企業があったり、いろんな方々に助けていただいています。本当にありがたいです。その分、プレッシャーもありますが、楽しくやらせていただいています。

貞寿 来年、50回目を迎えるので、車読み(リレー講談)とか、何か面白いコラボができないかなと。講談協会と日本講談協会が共催で行っている唯一の会なので、その特徴を生かした企画ができないか、常に考えています。企画や、出演者の組み合わせで、会の雰囲気はガラッと変わります。お客様に「絶対に観に行きたい!」と思っていただけるような会を一つでも多くお届けできるように。大変ですけど、何とか100回までは続けていきたいですし、この会をきっかけにして講談ファンが増えてくれたら嬉しいですね。