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徳島

「座布団の片隅から」 第6回

徳島

徳島での一枚

三遊亭 好二郎

執筆者

三遊亭 好二郎

執筆者プロフィール

踊る君を見て、恋がはじまって

 ここのところ、徳島ロスに陥っている。

 去年と今年に徳島の旅の仕事を頂き、年1回訪れているのだが魅力あふれる土地である。街並みも非常に興味深い。

 羽田から徳島へ飛行機で着くと、空港では至る所に阿波踊りを推している。阿波踊りをやっている人の銅像もある。これがすごい躍動感で、今にも踊りだしそうである。阿波踊りをやっている最中にドラクエのアストロンを唱えたかのような銅像だ。

 そして、空港の名前が「徳島阿波踊り空港」。このガツガツしたネーミングのセンスがとても良い。私の地元、大分県も源泉数・湧出量が全国1位なのを理由に「おんせん県」と名付けてブランディングしているが、それに通じる節操のなさ(良い意味で)を感じて共感してしまう。

 また、街を歩いていると、方々の看板で葬祭業の(有)ヤラカスの看板を見かける。これまたすごいネーミングセンスだ。つい発注したくなるが、古典落語の「片棒」みたいにとんでもない葬式になりそうでワクワクする。

 建物も昔の建築が至る所に残っていて、駅前のポッポ街など昭和レトロを感じる景色が盛りだくさんだ。

 街並みもさることながら、徳島の魅力はなんといっても食事とお酒である! すだち・阿波尾鶏・徳島ラーメン・鯛・刺身などなど名物がたくさんある。駅前の居酒屋を見て回ると、甲乙つけがたい素敵な店が多くて悩んでしまう。

 さらに、人口あたりのバーの件数も全国でトップクラスだそうだ。まさに酒飲みの天国が徳島なのである。

 前泊して次の日に落語会をやって、翌日に軽く観光して帰るという最高のスケジュール。東京に帰ってきてせわしない日々に戻ると、ついつい徳島の感動が蘇ってくる。これは徳島ロスだ!