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古典? 新作? 浪曲シートン動物記

「浪曲案内 連続読み」 第6回

ニューヨークの野良猫、岩手を駆け抜ける

 この秋9月も、「東家一太郎・美 岩手浪曲ツアー」をさせていただきました。

 花巻市東和町、大迫(おおはさま)町カフェねまーる、遠野市土淵町レストランでんパラ、クロステラス盛岡の4回公演。

 東和コミュニティセンターでは、浪曲シートン動物記の新作「下町のネコ キティ」を初披露しました。正式には2015年に東和町でネタおろししているのですが、今回はかなり改作し、一太郎・美、持てる浪曲と三味線、技術と力と知識とシートン作品への愛を総動員して務めさせていただきました。

 ニューヨークの下町で、本能のままにたくましく、自由に生きるネコ・キティの波瀾万丈の物語です。

 自立した動物を友にすることこそ、真の動物の友を得る道――と伝えたシートン動物記。きっと、聴いてくださる皆様に活力を与えてくれる演目と思います。

 今泉先生からも「ネコの本能が描かれていて、迫力がありました」とお褒めの言葉をいただき、とても嬉しかったです。

 東京や色々な場所で務めて参りますので、ご期待くださいませ。

 遠野では、久しぶりに「オオカミ王ロボ」を務めました。「下町のネコ キティ」と比べて、浪曲の構成がこんなにもシンプルだったかと自分で驚きましたが、15年かけて、お客様に聴いていただきながら磨き続けてきた作品です。

威風堂々たる「オオカミ王ロボ」のテーブル掛け

 浪曲の演目は、一回で読み捨てるものではなく、何年も舞台にかけて作り上げていくものだと思っています。

 古典浪曲も、覚えて、舞台にかけて数回ではまだまだで、お客様にご満足いただける浪曲にするのは大変なことです。ましてや新作浪曲の方が困難でエネルギーが必要な仕事だと思います。