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世間せまないか?

「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第7回

ラストサムライ藤本章夫

18歳までしか垂水にいなかったため、思い出も偏ってしまうのだが

故郷、垂水の話になると僕ら世代で必ず登場するのが

“垂水のラストサムライ”こと、藤本章夫(ふじもとあきお)さんだ。

藤本章夫さんは、空手道場、トレーニングジム、スイミングスクール、大衆浴場などを経営する垂水を代表する青年実業家で

地域の子供たちに空手を教え、ウェイトリフティングの普及に努めるかたわら

たびたび選挙に出馬し、地元を盛り上げようとご尽力なさっている素晴らしい方だ。

素晴らしいのは間違いないのだけど、少しずれていて

選挙のたびに空手着を着て、街中で正拳突きをしながら街頭演説をし

選挙カーの上で正拳突きをしながら名前を連呼する。

その奇抜さは他の候補者を圧倒していたが、当選したという話は聞いたことがないので

垂水区民もまあまあ引いていたに違いない。

僕らの世代は、小学校高学年の時に藤本章夫さんの経営する「勇武館 空手道場」に通って空手を習うということが一時期流行った。

ドラゴンボール世代の僕らは、厳しい修行で得られる強さに憧れ、こぞって勇武館に通った。

僕も期待に胸を膨らませながら、1日体験に行ってみた。

ただ僕の想像していた空手とはちょっと違った。

想像通りだったのは正拳突きや、中段蹴りなどの型の稽古までで

驚いたのは、その後の組み手の稽古だ。

藤本章夫会長の指示で組み合わせが決められ、子供たちが防具もつけずに殴り合うのだ。

なんと30年以上前に神戸の垂水で、ブレイキングダウンは発祥していたのだ!!

子供同士の殴り合いはまだましで、この道場には

下は小学校3年生くらいから上は中学3年生まで通っているのだけど

中学3年生のお兄さんと学年無差別での殴り合いもさせられるのだ。

しかもそのお兄さんは、同級生の寺山くんのお兄ちゃんで

中学生ながら180センチ越え100キロクラスの超ヘビー級の中学生で

体がめちゃくちゃ大きいというだけで

いろんな強豪高校の運動部からスカウトが駆けつけたという逸話を持つ

“スーパー中学生”だ。

小学生では相手になるわけがない。